超ノート活用法
情報収集「ノートの取り方」
◆基本編
 メモは手帳にするものと相場が決まっていますが、会議や講義などまとまった記録が必要なときは、できるだけ大学ノートに書き取った方がいいと思います。なぜなら、手帳は書く欄が狭いし、ページも少ないので、どうしても思い切り書き込むことができないからです。手帳だと、どうしてもてっぺんから順序よく、小さな字で、ちまちまと書いてしまうので、相手が話している中身よりも、書くことに気を取られてしまうことになりがちです。会議では、記録も大事ですけど、意見をよく聞き、自分の考えをまとめ、発言もしなければなりません。そのためには、字を早く書く必要があります。小さく書いていたら時間がかかります。思い切り大きく書くようにするべきです。

 それから、「〜である」と語尾までていねいに書いている人を見かけますが、愚の骨頂です。メモは、個人的なものです。人の目を気にする必要はありません。自分だけが後でわかればいいのです。できるだけ体言止めにして、文章の形で書かないことです。人にわからないくらい崩して書く方が、セキュリティ対策にもなります。会議中、相手の意見が気に入らないときは、思い切り相手の意見の横に×の記号を入れることができます。何を書いているのか相手にはわからないので、安心です。

 さらに、記号を多用すべきです。一度書いた単語で、後で何度も書く必要があるときは、アルファベットの頭をとったり、間に合わないときは○でも△でも*でも何でもいいですから記号化して、二度目からは記号で置き換えるようにしましょう。かなり時間を短縮することができます。

○メモはできるだけ大きな紙に書く。
○大きな字で書く。
○文章にしない。
○記号化する。

 この4つを実践するだけで、ずいぶんと時間を節約することができるはずです。
  • 会議、講義のときは、手帳を使わず、大学ノートを使う。
  • 見開き右側ページだけに書き込み、左側には、後日補足説明などを書き込む。
  • 文章をだらだら書かない。単語を矢印などの記号でつないでいく書き方がベスト。
◆中級編
 ノートを左から右に、上から下に、順序よく使うのは愚の骨頂です。ノートは会議ごとに自由にフォーマットして使いましょう。たとえば、討論方式の時は、中に1本縦線を入れ、左と右に分けてそれぞれの意見を対比させながら書いていくと、お互いの主張や食い違い、すれ違いなどよく見えるようになります。それぞれの意見を時間に沿って縦に書いていくと、左側の意見と右側の意見が微妙にずれてきているのがわかったり、矛盾を発見したり、感情だけで中身が空疎なことなど、いろいろなことが見えてきます。あなたは余裕を持って、論戦に参加し、なおかつ相手の矛盾を論破することができるようになるでしょう。

 講演会で、講師の話を記録することで精一杯で、講演の内容が頭に入らなければ、いくら後からメモを読み返しても、その場の雰囲気や講師のボディランゲージなどは伝わりませんので、結局何を言ってるのかわからないということになります。家で本でも読んでいた方がずっとましということになります。速記者が会議の発言をそのまま記録したものを読んだことがありますか。速記者の記録を、そのとき会議に出ていない人が読んでも、発言している人の気持ちや言いたいことがわからないことがよくあります。それは、講演会や会議は、言葉だけが情報の伝達手段ではないからです。言葉が7とすれば、残りの3は、ボディランゲージやそこに居合わせる人しか感じることができない独特の雰囲気であるということができます。だから、実際に会議室や会場にいる人には、臨場感とともに、言葉以上の意味をその場で理解しているということができるのです。

 つまり、何が言いたいかというと、相手の話す内容をそのまま記録してもなんにもならないということです。相手が話したことを、自分の言葉に置き換えて、ノートに書き込むことができるようになればしめたものです。つまり、その場で自分が感じたことを自分の言葉で記録するわけですから、これほど、強力な記録法はないし、記録した時点で、後で、読み返す必要もないくらい強く記憶に刻まれることになるでしょう。

 そこまではいかなくても、とりあえず、相手の話していることを文章でそのまま記録するとか、正確に記録するなどという欲はあっさり捨て、キーワードだけの記録にとどめるよう心がけるべきです。

 次にキーワード同士を線で結んだり、線で囲んだり、階層で表したり、対比させたり、「!」や、「?」をつけたり、ビジュアル化させる工夫が必要です。人間の記憶は脳の構造に似て、いろいろなキーワードがネットワークでつながっています。どうしても思い出せないことも、別のキーワードを思い出すと、それに繋がれていたものだから、楽々と思い出すことができたというような経験を皆さん持っているはずです。
 だから、記録も、記憶と同じよう、できるだけキーワードとキーワードで結びつけるような形で、書き付けていくように工夫すべきです。

○ノートは上から順番に書かない。
○会議や講義の性格をとらえ、ノートを自由にフォーマットする。
○キーワードとキーワードを関連づける。
  • ノートに文章をだらだら書かない。
  • ノートの中心部分から放射線思考で観念を広げながら書く。
  • 論理だけでなくひらめきなど右脳の部分を総動員して書く。
  • 脳の中のネットワークがノートに具現されれば、人間の想像力はぐんと広がる。
  • 相手から聞いたこと、自分で調べたことはキーワードだけ右側のページに記しておく。
  • 時間をおいて、後から、キーワードを別の色の筆記具を使って、矢印や=で結んでいく。
  • 書ききれないこと、新たに浮かんだ想念などは左側の真っ白なページに書く。
  • ノートは記録するためのためにあるのではありません。
◆実践編
 出張先で、取引先と合っていろいろ話をしなければならないとき、大学ノートを鞄から取り出すのは気がひけるという人がいるかもしれません。情報はできるだけ一カ所に集めたほうが、時系列に整理できるし、後のことを考えると、必要なときに引き出しやすいので便利なのですが、実はそういう私自身も、たえずノートを持ち歩くわけにはいきませんので、胸ポケットに小さな手帳を入れて、持ち歩くようにしています。デスクを離れて人と立ち話したとき、あるいは道を歩いていて何かひらめいたときに、小さな手帳に書き込むようにしています。

 これは、前回紹介したスケジュール管理用の手帳とは違います。文房具に行けば五百円くらいで売っている、無地か罫線だけの胸ポケットに入るぐらいの小さな手帳です。それを絶えず胸ポケットに入れておくようにしています。ただ、大きく書けないので、人に会って取材に使うときは、かなりのテクニックを必要とします。もちろん、必要最小限の記録にとどめることは言うまでもありませんが、さらに、相手の言っていることを無意識に書き込むようではだめで、必ず、自分の中で相手の話を一回消化し、自分の言葉に置き換えて、短く、体言止めで書くように努めるべきです。書こうと思っても相手が先に先に話を進め、間に合わないときがあります。そのようなときは、きれいさっぱり諦めて、書きかけた単語の右に?マークぐらいを付けて、相手の話のスピードについていくことを最優先すべきです。もちろん、気兼ねするような必要がない相手なら、早すぎるなどと文句を言って話を止めれば済むことですが、商談の時などはそうはいきませんので100点をめざすのではなく、60点でも70点でもいいから、相手の話に集中して、書き損じなど小さなことは、気にしないようにすべきです。

 さらに、名人となると、心の中で白いノートを思い浮かべながら、キーワードを平面に配置していくような記憶の方法をとっています。
 その場では、後で忘れそうな専門用語や数字だけを手帳に書き込むだけの人もいます。さらに上級に進めば、相手の話しているうちに、話の筋を理解して、相手のスピードより先回りして、相手が次に言うであろうと思われ言葉を、先に手帳に書いておいて、相手が近づいて、自分の推測どおりの話をしたら、○と記入するだけで済むようになります。

○どのような場面でもメモを記入できるよう手帳を持参する。
○自分の言葉に置き換えてメモをする。
○余裕がないときは、覚えられない単語や数字だけをメモする。
○さらにスピードを必要とするときは相手の話より先回りしてメモを
 とる。

【参考文献】
◆◆「メモの技術 表現の技術」 猪狩 章氏 三笠書房◆◆
◆◆「超メモ術」 野口靖夫氏 PHP研究所◆◆
メモの技術 表現の技術
  猪狩 章氏 三笠書房

1 「たった一枚の紙」で評価を上げる人―仕事のプラスになるメモ&手帳術
2 「武器」としてのメモの技術・考える技術―メモの上手な戦力化
3 メモ術がつくる「24時間の知的生活」―身近なメモの実践
4 「メモ」という言葉の表現術―人の心を動かすメモ

超メモ術―情報価値を倍増させる
 野口靖夫氏 PHP研究所
メモ学入門―創造的な仕事は「メモ」から生まれる!(現代は「メモロジー」不可欠の時代
メモほどホットな"ゼロ次情報"はない ほか)
実践ノウハウ編―これが情報管理力を高めるメモテクニックだ(メモ用紙は二本だてにするとよい
電話番号速メモの秘訣 ほか)
ハイテクニック編―高等技術で知的生産の効率化を図ろう
書籍紹介
ダ・ヴィンチ、エジソン、アインシュタイン、ピカソなど、天才たちが無意識に活用していたノート法、それがマインド・マップ。マインド・マップは脳の働きを最も自然に近い形で表現する方法であり、脳の働きをいちばん効率よく、パワフルに引き出す表現法だと言える。そのうえ、少し練習すれば誰でも簡単に身につけられる。マインド・マップ作りは記憶したり、考えたり、感じたり…と、あらゆる脳の働きを活発に促す効果がある。それゆえ、マインド・マップ作りをマスターすれば、これまで眠っていた潜在脳力がフルに引き出され、人生のどのような場面でも、どのような分野でも、それまでとは打って変わった脳力を発揮することができるようになる。
人生に奇跡を起こすノート術



マインド・マップ放射思考

トニー ブザン (著),
Tony Buzan (原著),
田中 孝顕 (翻訳)


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