仕事を質で捉える
 誰もが、自分を変えたい、現状を打破したいと願いながら、日頃のあまりの忙しさに、立ち止まることも許されずに、降りかかった火の粉を吹き払うことだけで毎日が追われ、仕事に忙殺されているのではないで
しょうか。

 仕事を4つに分けて考えてみましょう。
1 急を要し、しかも将来、仕事の質を改善する可能性を秘めた仕事
2 急を要するが、将来に影響を与えそうにない仕事
3 急を要しないが、将来、仕事の質を改善する可能性を秘めた仕事
4 急も要しないし、将来に影響も与えそうにない仕事

 「4」は、するに値しません。放っておきましょう。上司によっては、叩かなくてもよい石橋を気の弱さから叩きたくなり、部下に叩かせようと命令することがあります。あるいはすでに望みの芽はつぶされているのに、体裁にこだわり部下に仕事をさせようとすることもあります。これらの仕事が「4」に該当します。上司の命令をやり過ごすのも、立派な業務遂行能力のひとつと考えましょう。

 「1」は、誰が見ても、最優先すべき仕事です。
 悩ましいのは、「2」の扱いです。われわれの身の回りは「2」で溢れかえっています。将来のために役立つとも思えないような仕事なのに、期限が迫っていてせかされている仕事のなんと多いことか! 朝、デスクにつくと、いろいろな部門からメールが届いているし、書類も回覧されてくる。仕事に関係する記事がでていないか新聞もチェックしなければならない。他部門から、期限が過ぎた仕事の催促がくる、そうこうするうちに朝の定例会議が始まる。忙しさは実感できるのですが、メールや照会文も電話も、全部、他の部署の都合によるもので、こちらの仕事の成果に結びつくものは何一つありません。朝の会議だって、会議のために用意したような議題ばかりで、こんなにたくさん人を集める必要があるのかしらと疑わしくなるような形だけの会議・・・。ほとんどが社内でつくり出された仕事ばかりで、お互いがお互いの首を絞めあっている・・・・以上が「2」の仕事です。

 「リエンジニアリング」の意味をご存じですか。「リエンジニアリング」とは、異様に膨れ上がったこれらの「2」の仕事を組織的に無くしてしまい、本来の目的である消費者や顧客と向き合って仕事ができるように制度や機構を改革することをいいます。どうして、「2」の仕事がこうも膨れ上がってしまったかというと、高度成長期と切っても切り離せない関係があります。大量にモノを造らなければならなかった時代に、効率性を上げるため、企業は何もかも高度に分業化を進めてきました。つまり、「2」は、高度成長期の遺物なのです。大企業は高度に分業化してしまったために、現代のように多品種少量生産の時代になってからは、多様化した顧客のニーズに合わなくなり、また、本来の目的が見えにくくなり、セクショナリズムが横行し、簡単に済む仕事も、ハンコが押されていないばかりに、いつまでたっても消費者や顧客の元に届かないようなあべこべの矛盾を生み出してしまったのです。「リエンジニアリング」の意味を把握し、しっかり業務改革を進めていけば、かなり「2」の仕事は減っていくでしょうが、あなたの会社がまだそこまで進んでいなければ、「2」をいかに効率よくこなし、自分の身を守るか、当分は工夫していかなければならないでしょう。
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