正しい不文津を心に持つ強さ

 自分の中に不文律の掟を確立し、常に主体性を発揮することができるようになれば、今までのように、行動を起こす前からくよくよ悩んだり、あれこれ先読みして八方ふさがりになるようなこともなくなります。

 ただ、生きる苦しみから簡単に解放してあげるなどと人を勧誘するカルト宗教に身をゆだねることだけはやめてください。嘘のように気が楽になる点では主体性を取り戻すことと効果の面では似ていますが、カルトは自分自身の力で不文律の掟を持つこととは異なり、行動が一定の型にはめられてしまう「依存型」であることに留意してください。

 ただし、不文律は、使い方を誤ると、例えば自爆テロのようにたくさんの人を不幸に陥れることにもなりかねないような危険性をはらんでおり、慎重な扱いが必要であることを肝に銘じていただきたいと思います。

 それでは、正しい不文律はどうやって身につければいいのか考えましょう。最初の方向性を間違えれば、どんなにがんばっても、あるいは、手段が正しくとも、目的地に全然近づけなかったり、ひどいときは目的地からだんだん遠ざかってしまうことだってあり得ます。

 欲求には5つの型があることを以前お話ししました。はじめは、生理的な欲求に始まり、それが満たされると、安全の欲求、愛情の欲求、尊敬の欲求そして最後には自己実現をめざすようになるという話です。

 正しい不文律は5つめの欲求「自己実現」と密接な関係があります。「自己実現」以上に高次な欲求はこの世に存在しません。この世に何のために生きてきたのか、立ち止まって考えるべきです。これまで、人に申し上げるほどのはっきりした成果を上げたことはないと思う人は、ぜひ、残された半生を今後どう生きていくのかを真剣に考えてください。

 生きる意味について、たえず考える者の方が、考えない者よりも、数段人間性が優るし、真に不文律を持つ資格があると思います。
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