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相手を論破する技術

 新しい企画を考えるとき、素案をたたき台にして、部署内で賛成派、反対派に分かれて議論すると、良いアイデアが出されるものだ。新しい事業を考えた人は、素案といえども苦労してつくっているので、反対派から批判されるのはいい気持ちがしない。なかには、反対のための反対しかできない、つまらない人間が混ざっていたりする。批判は誰にでもできる。でも創造は誰にでもできるものではない。それに費やすエネルギーは批判のそれとは比べものにならないくらいに大きい。だからこそ、一握りの創造者が社会ではいいポジションを占め、人生の成功を収めることができるのだ。

 さて、創造者に成れるかどうかはわからないとしても、自分のつくった素案がテーブルに置き、批判者たちの目にさらすには勇気がいる。でも、がまんしてほしい。反対のための反対は無視するとして、批判の中にはたくさんの宝が混じっているからだ。事業を考えるときは、思考法にもある程度強引さがないと前に進まない。リスクを伴わないアイデアなどビジネスの世界には存在しない。考えられるリスクは全部書き出して、その対処法もできるだけ明らかにしながら構築していく。その上で、同僚や上司の批判を受ける。その際、反対のための反対は受け付けない。彼らは、反対することができる自分の才覚に溺れているだけで、環境の変化に機敏に対応して生き残りをかけなければならない企業にとってはお荷物としかいいようがない輩である。また、反対はしないかわりに、ヨイショばかりいう人もお荷物という点で同じ部類であろう。一番、必要なのは、事業を進める側の誤った思いこみやマーケティング不足を的確に指摘してくれる人だ。それらを真摯に受け止め、改善できることは改善することで、より事業は完成度を高めることができる。

 部署内で徹底的に討論して出来上がった企画書や新規事業の案は、次に部署を離れて、取締役会あるいは、クライアントのもとでプレゼンすることになる。ここまでくれば、批判に対して「ハイそうですか」と引っ込めるわけにはいかない。議論に打ち勝つ必要も出てくる。そのときディベートの技術が生きてくる。

 ディベートの技術を明日以降ご紹介したい。そのあらましは次のとおりである。

1 相手の前提の誤りを追求する法
2 相手の前提を読みそれをひっくり返す法
3 事実と意見を峻別する法
4 仮定の話には答えない
5 ネガティブフィードバック法
6 WYE攻め
7 カウンタープラン
8 ターンアラウンド




 郵政民営化について経済財政諮問会議は基本方針をまとめ6日に発表した。共同会見に臨んだ麻生総務相の表情は明るく、竹中経済財政相の表情は対照的に暗かった。民営化に欠かせない公的金融の縮小が盛り込まれないなど、民間経済界を代表する竹中氏よりも、総務省や郵政公社寄りの麻生総務相の方に軍配があがる内容であったからだ。しかし竹中氏ひとりの責任ではない。政治生命をかけたはずの小泉首相が郵政改革に前ほど乗り気でないことも原因している。

 その小泉首相が総理大臣になる前に反対派から「民営化すると特定郵便局はダメージを受ける」と言われ、「彼らは郵政省の手を離れ、創意工夫をして収入を上げることができる」と切り返した。これは、8番に掲げた「ターンアラウンド」の見事な活用例である。


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 2004.5.19

○配信頂いてからまだ間もないのですが大変参考になるノウハウが 疑縮されておりいつも楽しみにさせていただいております。
 2004.6.2
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