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三行読みで一括情報処理

三行読みが果たして可能か、常識の壁を越えられるかは、訓練次第というところであろうか。常識で考えれば、人間は一度に2つ以上のことを考えることはできない。そのことは、集中力関連のノウハウ本で必ず「パーティ現象」という用語を使って説明される。

 つまり、パーティのような騒がしい中でも、話しかけてくる相手に精神を集中すれば、周りの話し言葉は耳に聞こえてもそれは言語としては伝わらず、話しかけてくる相手の口から発する音だけが意味のある言葉として伝わってくる現象を「パーティ現象」いう。どんなに喧騒の中にあっても集中力を発揮すれば、必要な話だけを選び出して聞き取ることができる。

 ところが、三行読みではその反対のことしようとしている。意識を三つの行に分散させなければならないのである。はっきり言って、専門書などじっくり読まなければ理解ができないものはかなりの困難が伴う。速読の世界ではさらに上級編が待っており、今度はページ全体を斜めに見て、2,3秒でページをめくることができると内容はエスカレートしていく。

 そこまでいくとさすがに眉唾ものに思えてくる。幼児向けの絵本のように1ページに載せられた文字量ぐらい少ないのであればまだしも、普通の冊子ならよほど訓練したとしても、三行読みが限界のような気がする。しかも、三行読みであっても、ある程度予備知識があって読み慣れた単語がたくさんあるとか、仕事上の定形文書で、どの当たりに重要事項が書かれているかわかっているような文章に限られていると思う。難解な単語がたくさん出てくる専門誌などは不向きである。

 さて、三行読みは相当の訓練を積まないとできるようにならないと思うが、ここでも常識の壁がじゃましている。いっぺんに3つ行を同時に読むなんてことは普通の世界では考えられないことだ。読む側にも単なるスキルだけでなく相当な精神集中が必要とされる。

 3行を同時に読めば、それぞれの行に出てくる単語を一次記憶にとどめなければならない。断片的につかんだ単語について、その前後を考えながらひとつの文章に頭の中でつなげていかなければならない。目はすぐに次の三行に移るので、いつまでも前の三行を考えている暇はない。三行読みは理屈ではわかっても、なかなか実践に結びつかないのではないだろうか。

 大抵の独学による速読法はここらが限界なのである。私は眼球のピストン運動と一行読みでも十分と思うのだが、どうしても三行読みを極めたい人は、目の力だけでなく、別の力もつけなければならないようだ。

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 2004.5.19

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 2004.6.2
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