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「100億稼ぐ超メール術」 1,300円
■■ 堀江貴文(東洋経済新聞社) ■■
■■ 2004.12.9 発刊 ■■
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書名からして、最初に受ける印象が「そんなはずではない!」であった。おそらく読者の中にも、書店の新刊コーナーで、この本を見つけて、軽いノリの書名を見て、ゴーストライターが適当に書いたタレント本まがいと思われた方もいらっしゃるかもしれない。ところが、どっこい。中身は結構まじめな、マネジメント教本なのである。忙しいはずのライフドア社長の堀江貴文氏は、1日5000通のメールを処理しているとは驚きだ。どうして、5000通もこなせるのかという『ワザ』については、本書の後半部分で説明されているが、どうしてメールにこだわるのかという『こだわり』については前半にしっかり記述されている。
第1章は、ライフドアの社内メールについて書かれている。堀江氏は約1000人の部下をメールで管理している。これまでの、日本のカイシャの慣習をぶちこわして、IT社会の流儀を確立しようとしてはじめたのが、このメールによる管理術で、年商100億まで会社を育てた原動力にもなったという。年功序列型でこれまで景気を引っぱってきた日本の会社組織はタテ構造でできている。たくさんの社員を抱える会社は、一人当たりの管理職が監督できる部下に制限があるため、平社員を監督する係長、係長を監督する課長、課長を監督する次長・・・と、組織はだんだんタテに長い構造に変化していく。このようなタテ構造の会社にあっては、社員を管理しやすい面、ある程度年齢が進み、キャリアを積めば昇進する年功序列システムに乗せられて無能な管理職が、中間に位置するようになると、途端に風通しが悪くなり、組織がガタガタになる。大規模な案件をトップに伺いを回すのに、長時間を要する。なかには稟議書を回す前に一度、レクチャーに来てくれと、稟議書の意味を理解していない管理職などがいて、余計時間がかかり、せっかくのビジネスチャンスも時間ロスにより人為的な損失を出すことさえある。堀江氏は、それらの日本の悪い慣習を葬り去るために、「フラットな組織」と「即断即決主義」を取り入れることにした。そのツールとして採用したのが電子メールである。
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ライブドアには、「日報メール」というシステムがある。同じ事業部の社員全員が社員の書き込みんだ日報をメーリングリストのように読めるようになっている。1人ひとりが、その日の業務を簡単に日報メールに書き込む。時間帯ごとに業務内容がわかるようになっている。昼の食事がまずかったというようなことを書き込む社員もいるが、決して上司から怒られることはない。逆に、上司へのおべっかや敬語を使うと、無駄な時間やエネルギーを使ったとして怒られる。社員はフランクに仕事の進捗状況や顧客との商談の状況などを書き込む。普通の会社であれば、報告書の形で、稟議書がトップまでに上がってくるのに、時間がかかる。中間管理職が間にいて、書き直しを命じたり、テニオハをいじられたり、都合の悪いところを隠蔽されたりするからである。その点、日報メールは即、堀江社長の目に入るので、必要に応じて、すかさず経営判断ができるというメリットがある。また、事業案件ごとに時間帯とジョブコードを入力するようになっているので、労務管理とコスト計算が一度にできてしまうというメリットもある。社員達は自由は発想でのびのびと書くので、個人の趣味から出たアイデアが、たくさんの者の目に触れ、いろいろ追加、修正されるうちに、事業のアイデアに結びつくこともあるそうだ。
ライブドアには、無駄な会議は一切無いと堀江社長は言う。社内の1000以上はあるメーリングリストが、会議の代役を務めているそうだ。ビジネスの現場に電子メールをどんと持ち込めば、くだらない会議はほとんどなくなると堀江氏は説く。
『電子メールは、単なる手紙ではない。社内コミュニケーションに革命を起こす最強のツールである』
ライブドアもグループウエアを採用している。「毎日スキルアップ通信」の筆者が勤める職場にも、そのようなものがあるが、「掲示板」の書き込みは、社員の家族の死亡通知ぐらいしか活用していない。ところがライブドアでは「掲示板」では、書き込みであふれてしまうので、メーリングリストを採用している。メーリングリストは、職能組織においてもプロジェクト側も、双方でそれぞれグルーピングしており、ほとんどの社員は2つ以上のメーリングリストを持っている。プロジェクトのメーリングリストには、ワーキンググループを構成する担当者はもちろん、それぞれの担当者の上に立つマネージャーも参加している。それに堀江社長や副社長も加わり、上下関係は一切なし。メーリングリストの中で自由に討議する。敬語やおべっかは御法度だ。ただ、プロジェクトをスタートする際は必ず顔を合わせることにしている。そこで緊密な人間関係を築くとともに「要件定義」を行う。要件定義については、明日は特集の方でも説明することにしている。
ライブドアは、メーリングリストを使ってプロジェクトを進行する。最初のミーティングだけは、顔を合わせて打ち合わせを行う。そこで役割分担を明らかにし、各スタッフが要件定義を行う。要件定義といっても、仕事の目的や内容をちまちま書くのではなく、プロジェクトを数年後にはどう展開させたいかなど、大きな視点で方向性を明らかにさせることに意を用いる。最初にきちんとした図を描き、それぞれが自分のモチベーションを高めながら取り組めるように環境を整備する。ついで、第1フェーズ、第2フェーズと、3ヶ月ごとのスケジュールも立てる。後は、会議など開かず、一つのフェーズの中で時間を細かく区切りながら、各人、作業を進めていく。ただ、進捗のすりあわせだけは会議でいっぺんにしないと効率が悪い。
各プロジェクトの進行について、それぞれの部署も見守り、プロジェクトに駆り出されている部員の仕事が進んでないとき、やり方がまずいときは、今度は、職域メーリングリストの中で、その部員を応援する。まさに、メーリングリストがマトリックス構造となり、「知の共有」を果たしているようだ。横のプロジェクトで構成するメーリングリストと、縦の職能組織で構成するメーリングリストが交差し、適切な情報管理を行うため、ライブドアが、いろいろなコンテンツに自由奔放に取り組んだとしても、ライブドアのポータルサイトは、その統一感を失うことはないという。
堀江社長は毎日5000通ものメールを処理している。第3章では、忙しいはずの堀江社長が、どのようにそれだけのメールを一日で処理しているのか、そのテクニックが惜しみなく披露されている。堀江社長が処理しているメールの中には、メルマガも含まれているというのには驚いた。メルマガの内容が社員に役に立つと感じたときには、コピーペーストして、メーリングリストに流しているそうだ。
さて、堀江社長のメール処理術を全部、ここで書き出すわけにはいかないので、さわりの部分だけ紹介させていただく。操作は、ほとんど、ショートカットキーで処理しているそうだ。さっそく、私も試してみたが、さくさくと、確かに使いやすい。特によいのが、読み終わったメールを保管用のフォルダに送るとき、これまでは、いちいちマウスでドラッグしていたのだが、Ctrl+Shift+vで、送り先のフォルダが一覧表示されるのは、あとはフォルダを選ぶだけで、ノンストレスでスムーズに処理をすることができた。ほかにも、返信、転送、削除、新規メッセージの作成など、ほとんどがショートカットで処理できるので、これらを覚えてしまえば、かなり時間短縮がはかられ、サクサクと作業できるようになりそうだ。また、受信箱に入っているメールは読まなくてよい広告メールも含まれているので、必要なメールだけを、Ctrlを押しながら、マウスで一件ずつ選び、最後にEnterキーを押すと、選んだメールがいっぺんに開けるそうだ。一つずつ開くよりも、時間短縮に結びつく。堀江社長は10秒で返事が片づくものは、その場で処理し、あらたまって返事を書かなければいけないようなものは、フォルダの一カ所に集めて、後で、まとめて処理するらしい。第3章だけを読んでも、本の代金を回収できるくらい、知らない者にとっては情報満載のお買い得な内容になっている。
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目次
プロローグ 電子メールで仕事は100倍効率化できる! 第1章 1000人の部下を1人で管理する日報メールの破壊力 第2章 会議メーリングリストは会議の99%を不要にする 第3章 堀江流・これが私の実践メールテクニックだ!
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