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もし、あなたが経営者、中間管理職あるいはプロジェクトやチームをまとめる立場であれば、これは使えるマネジメント法である。
組織やチームがうまくいかないのは、それぞれの立場で一生懸命がんばってはいるのだが、全体最適になるように、うまくつながっていないからだ。
この1ページ・マネジメント法を使えば、10万人規模の大組織であろうが、小さなチームであろうが業績を著しく上げることができる。
実際、コカコーラ、コダック、GEキャピタルなどの著名企業でもその実用性が確かめられている。
その方法はきわめて単純明快だ。
経営者、中間管理職、現場監督がそれぞれ3枚のリポートを作成するだけでよい。
現在、食料品業界では消費期限偽造、産地偽装、毒物混入など、いろいろな事件が起きている。食料品だけでなく、あらゆる産業は、製造物の欠陥、事故、従業員の不正など
様々なリスクを抱えている。産業界だけでなく、社会保険庁、国土交通省、自衛隊なども組織の中で問題を起こしている。
誰がトップになっても、いつ首を切られるかわからない状況だ。
でも、それは運が悪いからだろうか。
報道を見ていると、自分はトップの地位に就いたばかりだから許されると思っているのか、人ごとのようにコメントを発している者もいる。たぶん、長くトップの座にあっても問題は防げないだろう。
組織内部についてわからないでは済まされない。
それを解決する方法が「1ページ・マネジメント法」である。
【1】情報洪水に対処する法
組織の中にいると、書類の多さにうんざりする。
地位が上がるにつれ、その思いはさらに強くなる。
下から上がってくる報告書、統計資料、自己弁護、自己陶酔のために書かれた書類、儀礼だけの文書・・・等々、これらの情報にエネルギーや時間が奪われていく。
『1ページ・マネジャー』は、米国で流行りの物語形式で書かれたビジネス書である。
物語は、大企業エックス社のCEOに就いたばかりのブライアン・スコットという男が主人公である。
スコット、これまで、経営に苦しむいろいろな企業を再建させてきた実績があり、今回のCEO就任も彼の経営手腕が買われてのことであった。
着任早々、スコットは、大企業なるがゆえに、情報が膨大で、問題のありかを探ろうにも、自分が求める資料が全然上がっていないことにいらついた。
そして、どこの企業でもありがちなのだが、それぞれの部署が、企業の業績が悪いのは他の部署のせいだと思っている。
だからといって、問題の確証をつかんでいるわけではない。
誰もが経験と感覚でものを言っているのだ。
スコットはあせった。実態を把握したいのに、どこから手をつけてよいのかわからない。
スコットの前に救世主が現れる。
情報洪水の問題を解決してみせると言って、スコットのもとに訪れたインフォマンという男である。
インフォマンはスコットに「部下からあがってくる報告に全部目を通そうという気持ちはほめられるが、情報の中で本当におぼれてしまうだろう」とさとした。
人間は海のなかでは溺れて死んでしまう。
魚は海のなかでは、えらで呼吸するので死なない。
水をいくら吸収しても、そこから必要なものだけ取り入れ、不要なものは流れにまかせてしまうからだ。
インフォマンは同じような仕組みを3枚のリポートでつくれるとスコットにアドバイスする。
1枚目「フォーカス・リポート」
何をなすべきか示してくれる情報
2枚目「フィードバック・リポート」
なすべきことに対しての「よいお知らせ」と「悪いお知らせ」
3枚目「マネジメント・リポート」
部下のなすべきことに対しての「よいお知らせ」と「悪いお知らせ」
【2】成功ドメインを確定せよ
何をなすべきかを決めるためには、自分の成功を定義しなければならない。
この物語の主人公スコットの定義はもちろん「エックス社を再建する」ことだ。
成功と呼べるためには、どの指標がどれだけの数値を示さなければいけないか次に考える。
スコットは、「1株当たりの価格向上」「市場シェアの向上」「対資本負債比率の低下を掲げた。これらを「超・成功ファクター」と名づけることにした。ほかにも成功ファクターはたくさんあるが、それらを上げると指標が増えすぎ焦点がぼけてしまうからだ。
それらのファクターの現在値を入手できるように手配し、現在値に対するそれぞれ目標の数値も定める。
さらに自分にとって大切な人間は誰なのかも考え、大切な人たちの立場に立った成功ファクターも追加していく。
上司、部下、株主、消費者たちとの関係を大事にしなければならない。
各マネージャーは経営トップと相談しながら成功ファクターを見つけていくことで、組織の上下が連結ピンでつながれていく。
中間管理職は、成功ファクターをつくるとき、部下から上がってきた成功ファクターをまとめただけのものにしないようにするべきだ。
それは、自分を否定することになりかねない。
「あなたのお仕事は必要だとお思いですか?」と聞かれたときに答えられるものを「成功ファクター」にしなければいけない。
それをつくるには、自分の部下だけでなく、他部門や顧客、消費者などとも対話する必要がある。
次に、成功ファクターの目標値に対する現在値から「よいお知らせ」と「悪いお知らせ」をつくる。これによって、自分が何をなすべきか明確になる。
さらに、部下が成功ファクターでプラスの成績を上げると上司に報告が届くシステムをつくる。部下のなすべきことの「よしお知らせ」と「悪いお知らせ」である。
これは、問題発見の手がかりにもなるし、部下のやる気を引き出すインセンティブにもなる。
「フォーカス・リポート」・・・何をなすべきか示してくれる情報
「フィードバック・リポート」・なすべきことに対しての「よいお知
らせ」と「悪いお知らせ」
「マネジメント・リポート」・・部下のなすべきことに対しての「よい
お知らせ」と「悪いお知らせ」
この3つのリポートによって、組織は驚異的なパワーを手に入れることができる。
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