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著者の坂本氏は、株式会社サムシンググッドの設立者として知られ、プレイステーション、シャープX6800の開発に深く関わったことで知られる。
その坂本氏が、IT関連の数々の起業を成功させた自らの体験をふまえ、独自の経営学をこの本で披露している。
そのリアリズムと説得力は他の経営哲学を圧倒する。
目次に掲げられた標題だけを眺めてもその迫力が伝わってくる。
「動きを止めたら死ぬだけだ」
「一と二の間にある成功の臨界点」
「閾値(しきいち)を超えるまで続けよ」
「相手の会社に居ついてしまえ」
「ヒットしたら値段を上げろ」
「まじめで勤勉だと成功が遠ざかる」
「情報は仮説を検証するために利用せよ」等々
脱サラするとき、「焼鳥屋」か「ラーメン屋」で迷ってはいけない。
そんなのどっちでもよい。
好みや直感で選べばよい。
問題は、なにをやるかでなく、どうしてやるかだ。
WHATを探してばかりではいけない。学校教育の弊害だ。
HOWに全精力を傾けよ。
ラーメン屋なら、場所、店名、ねらう顧客層、味、メニュー、値段、レイアウト、麺の太さ、テーブルに置く調味料、宣伝の方法、固定客をつくるためのインセンティブ等々、悩まなければいけないことは山ほどある。
「焼鳥屋」にしろ「ラーメン屋」にしろ、成功率はせいぜい2割。
うまく行くか、行かないかは、「HOW」にかかっている。
自分の適性にあった仕事をしたいと思うのも、自分が今の仕事に向いていないと言い訳するのも「WHAT」の発想から抜けられない証拠だ。
会社を辞めて小説家になりたいけど、自分に適性があるのかどうか悩むことほどムダな時間はない。
人生は短い。そんな暇があったら、とにかく書く。
どんどん書いて、ありとあらゆる新人賞に片っ端から応募する。百も二百も出せば、必ずどこかの編集者の目にとまるはずだ。しばらくやってみて、どこからも声がかからなければ、そこで適性がないと知ることだ。
ビジネスの世界では動きを止めたら死ぬ。
人が一努力するところを、自分は二努力する。
戦略を考えるのに十の仮説を相手が出したら、さらに十の仮説をつけ加えるほどの粘りがほしい。
いくら努力してもうまくいかないと言っている人は、実は努力の臨界点にまで達していない。臨界点に届くより前に努力をやめてしまっているケースがほとんどだ。
ビジネスで勝ちをとりたいのなら、閾値(しきいち)を超えるまで続ける努力が必要だ。
営業の極意は相手を自分の頭の中に住まわせることだ。
口がうまければ売れるというものではない。
マニュアルどおりのトークなんて聞かされる方はうっとうしいだけだ。
商品を1から10まで説明するのではなくて、あなたに必要なのはこのうち一つ、これです!といって、その理由を10説明することだ。
それができるためには、相手のことがわからなければならない。
相手の「像」をつくって、自分の頭の中に住まわせるくらい相手のことに関心を持つようにしよう。自分の頭の中に住まわせた「像」に何がほしいのかたずねるのだ。「像」の精度が高いほどツボを外さなくなる。
相手の頭のてっぺんから足の爪先まで、どんな小さな事でも逃さず材料を集めることだ。
常識はビジネスの敵だ。
でも、常識の中にいる限り安全と思っている起業家が後を断たない。
起業家は少なくともサラリーマンとは異なる。
常識に縛られているようではビジネスの世界で成功はおぼつかない。
坂本氏が会社を設立して最初に行ったのが、アポなしコネクションなしの飛び込みセールスだ。しかも相手は天下のソニー。「サムシングソフトはこんなソフトをつくっている。これはいいソフトだから、ソニーはハードをつくってほしい」とぶった。
ソニーは取引に応じた。
会社の格や取引実績を考えていたら、先に進まなかっただろう。
ソニーがそんな会社ではないので、取引成立は当然と筆者も思っていたというからすごい。
まじめで勤勉は成功から遠ざかる。
坂本氏の会社が窮地に追い込まれたとき、ある幹部が会社を救うため会社に詰めっきりで、二晩も三晩も徹夜してがんばった。
坂本氏は、その幹部をどなりつけた。「いいから家に帰れ!」
幹部は、会社を思うあまりに寝る間も惜しんでがんばった。
それが坂元氏は気に入らないのである。
実際、その頃の彼はミスは多いし、クオリティも低く、成果もほとんどゼロに等しい状態だった。
会社は結果がすべてだ。
命をかけてがんばったからと言われても、会社には迷惑な話だ。
会社のために命をけずる必要はない。
ゆっくり休養をとって、クオリティの高い成果を出すことを望んでいるのだ。
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