|
頭打ち・ジリ貧の「崖っぷち会社」がピカピカの成長産業に生まれ変わる方法は次の3つある。
『ノウハウ』
『コミュニティ』
『ブランド』
特に難しい方法ではない。
誰でも、カンタンにできる方法だ。
ほんのちょっぴりの勇気と、ほんのちょっとの行動力があれば、誰にでも、どんな業種でもできる方法だ。
ほんのちょっぴりの勇気とあるのは、実は、誰も思いつかない方法を実践するからだ。 その方法とは、
ノウハウをオープンにすること
これにより、会社の売上げはケタ違いに伸びるそうだ。
しかし、最初は誰でも抵抗する。だって、大切なノウハウを社外にオープンにするわけである。でも心配には及ばないという。ノウハウのやり方を工夫すればいいのだ。
地方の小さな会社に、次から次へと注文が来るその方法とは、
コミュニティ(会)をつくることである。
小さな会社がコミュニティをつくるときにはやり方というものがある。
特に参加者を集めるといった作業は必要はない。
会合や飲み方も必要はない。
その内容については本書で詳しく明かされる。
小さな会社は、小さな会社なりにブランドを築くことができる。
それも、まったく新しいブランド商品としてつくることができるのだ。
ブランドにより、崖っぷち会社がピカピカの成長企業に生まれ変わる。
「ノウハウ」を明らかにし、
「コミュニティ」をつくり、
「ブランド」とし育てれば、
次のような事実が明らかにされる。
「成長産業よりも、成熟・衰退産業の方が儲かる!」
「成熟・衰退産業には、宝の山が眠っている!」
「成熟・衰退産業はおもしろい!」
紙加工業はもともと明治の時代から始まった歴史のある産業だ。
中山さんが経営する紙加工業のイバル会社は全国で数百件あり、どの会社の商品、品質、性能にもほとんど差はない。
買う側から見ればどこから買ってもいっしょ。
そういう状況は、紙加工業に限らず、日本全国の中小企業でも見られる現象だ。
多く売ろうとしたら値段を下げなければいけない。下げると利益がなかなか出ないし、他のライバルも追随して値下げしてくるので、さらに経営は苦しくなる。
これらは伸びない産業、斜陽産業と呼ばれ、小さな会社の97%がこれに当たるそうだ。
中山さんは社長になる前は、総合商社で半導体の輸入販売、外資系IT企業で人工衛星を使ったデータ通信システムの営業など世界の最先端をゆくビジネスに就いていた。
営業には自負も自信もある。
社長に就任し、さっそく、インターネットを使って紙製品をつくる会社を100社ピックアップし、パンフレットの郵送、ダイレクトメールの発信などを行った。
パンフレット作成にかけた費用は100万円。
ダイレクトメールのキャッチコピーも凝っている。
「紙加工の匠」「紙加工の達人」等々。
ホームページをつくるときは、ネットマーケティングのセミナーに何度も通った。
これで注文がとれないはずはない。
満を期して待った。
1週間・・・
2週間・・・ 問い合わせはゼロ。
3週間経ったあと、お客さんに電話してみたが、らちがあかない。
結局、長年取引のある会社にお客さんを紹介してもらい直接出かけてみたものの、30分待たされたあげく、
「いま、間に合ってます」
会社を潰すわけにはいかない。
大企業の下請けに回った。
年中行事のように、毎年コストダウンを迫られ、ただでさえギリギリなのに、これ以上は無理だと答えると、大企業の担当者ははっきりこう答える。
「おたくを儲けさせようなんて、これっぽっちも思っていないよ。死んでもらっても困るけどね。うちが潰したなんて、世間に悪い噂を立てられるから」
中山さんの会社は、さんざんひどい目に遭い。怒り、なやみ、苦しんだ。
小さな会社はいつまでたっても悲惨な思いをしないといけないのだろうか・・・
そこから、中山さんの奇跡の逆転劇がはじまる。
「ノウハウ」
「コミュニティ」
「ブランド」
この3つの方法を使えば、どんな衰退産業でもブレイクさせることができる。
この方法は、小さな会社であればあるほど、衰退産業であればあるほど、大きな効果を発揮するのだ。
「ばかじゃないの」
社内はおろか、知り合いの社長連中も、一同に口をぽかんと開けた。
中山さんが製造技術のノウハウをオープンにすると宣言したときで
ある。
しかし、中山さんは、お客さんから信頼されるにはこの方法しかない
と思った。
中山さんの考え方に賛同する者はいなかった。
会社のノウハウをオープンにして1年が経ち、2億2千万円であった
年商が3億4千万円に伸び、同業者が売上げ不振で次々に倒産・廃業し
ていく中、中山さんの会社はなんと前年売上げ比155%を達成したの
である。
売上げが伸びただけではない。
営業しなくても注文が次から次へと来るようになった。
お客さんが頭を下げて「ぜひ、御社から買いたい」とやってきた。
また、ノウハウオープンというユニークな取り組みが日本経済新聞の
ほか業界紙などに報道され、それがきっかけで、今では業界紙三誌に
毎月4つの連載を執筆するようにもなった。
いままで、お客様が王様で、中山さんの会社は奴隷の関係だった。
ところが、お客様が生徒で、中山さんの会社が先生の関係に立場が
逆転し、中山さんが薦める商品をお客様が信じて買ってくれるように
なったのだ。
ノウハウをオープンにするということは、お客さんから信頼してもら
えることだ。
よいものをつくってくれているとお客さんに安心感を与えることが
できる。
営業マンの売り言葉に、「弊社の商品を使ってもらえば、品質の良さ
がわかってもらえます」というのがある。
言葉だけではお客さんは信用しないのだ。
見ず知らずの会社のつくったモノをお試しで使うような、お人好しの
会社はまずない。
技術やノウハウをオープンにすることで、はじめてお客さんの信頼を
得ることができるのだ。
ノウハウと聞いて難しく考える必要はない。
販売店や小売業であれば、どうすれば売れるかというノウハウがある
はずだ。
「お客様にお礼のハガキを出したらまた来店してもらえる」というの
でも立派なノウハウだ。
以前、リッツ・カールトンや加賀屋のホスピタリティについて紹介
したことがある。
お客様の立場に立った心にくい演出は、接客に関するノウハウである。
そのときの記事を読んで、リッツ・カールトンや加賀屋に泊まって
みたいと思った人はいらっしゃるはずだ。
中山さんがノウハウをオープンにした理由は2つある。
一つめの理由は、IT産業では例えばOSソフト「リナックス」をオープン・リソースとしたことで、全世界における数万人の開発者が当ソフトの開発に携わり、リナックスを進化させることができたこと、ブログで使われるソフトについてもオープン・ソースとしたため世界的に広まるきっかけとなったことをIT産業の最先端で活躍していた中山さん自身が「タダで教えることが産業の成長に結びつく」ことを肌身をもって感じていたことだ。
技術やサービスを囲い込むと、もはや進化はそこで止まってしまう。
ふたつめの理由は、ノウハウをお客さんに伝えなかったことで、結局損してしまうのは、お客さん自身であり、それが中山さんに跳ね返ってくるという仕組みに気づいてしまったことだ。
たとえば、「紙は生き物」といわれている。直射日光に当てていたら、紙から水分を蒸発して紙が変形してしまうのだそうだ。紙の性質や加工の技術をお客さんに事前に教えていたら、お客さんがかぶらなくても済む損害であったわけだ。
ノウハウをオープンにすると他にも得られる効果がある。
例えば、ビジネスチャンスの拡大である。
中山さんの場合、公開したノウハウに興味を持った他業種から声がかかり、コラボで何かできないか声がかかることが増えたそうだ。
ノウハウはどんな会社でも必ず持っている。
ただ、単にオープンすればいいというわけではない。
最大限成果を上げるためには、やり方がある。
そのやり方を用いてこそ中山さんは1億2000万の売上げ増をはかることができたのだ。
本書では、
ノウハウの見つけ方、
ノウハウの発信の仕方、
ノウハウを誰に発信すればよいのか、
コミュニティ(会)のつくりかた、
業界紙の活用法
中山さん以外の会社でもこの方法で売上げを伸ばした成功事例
などなどが詳しく紹介されている。 |
|