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芸能人の成功から学ぶマーケティング入門
太田眞彦 総合法令出版 2008.1.10刷
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マーケティングについて何も知らなくても、気軽に読めて効率的に学べる教本をコンセプトにして生まれた本である。
筆者の太田氏は経営コンサルタントである。
マーケティングをわかりやすく教えるため、芸能人の成功をマーケティング戦略の観点から解説したところ好評を得て出版に至ったものである。
読みやすいだけでなく、他のマーケティング教本と比べても分量において決して劣ることのない良書である。
扱っている芸能人とその戦略は次のとおり
第1章 ユーミン「マーケティングの基本戦略」
第2章 島田紳助「ポジショニング戦略」
第3章 椎名林檎「プロダクト・ライフサイクル戦略」
第4章 ケツメイシ「ロングセラー戦略」
第5章 パフィー「プロモーション戦略」
第6章 藤井隆「ブランド戦略」
第7章 ポート・フォリオ戦略」
第8章 マドンナ「ポストモダン・マーケティング戦略」
ユーミンこと松任谷由実のマーケティング力には定評があると言われている。
彼女のデビューした時期は吉田拓郎の「結婚しようよ」やガロの「学生街の喫茶店」などがヒットしてたフォーソング全盛の時代である。
ユーミン(当時「荒井由美」)の都会的で軽いタッチの歌は、反戦ソングや貧しい若者たちのフォーソングと真っ向から対立するものであり、「金持ちの小娘が、金と暇にまかせて書きなぐった歌だ」「ブルジョア娘のお遊び歌だ」などと酷評を浴び、実際デビューシングルは300枚しか売れなかった。
ユーミンは次のように答えたという。
「みみっちくて、せせこましい四畳半フォークなんて大嫌い」
ユーミンはマスコミにさんざん叩かれた。
その後フォークソングは急激に衰退。時代を先取りするユーミンの歌は1975年にシングル「あの日にかえりたい」でオリコンチャート1位を獲得するなどその後大ブレイクする。
ユーミンは八王子の呉服屋に生まれ何不自由なく成長した。
学校の成績はオール5。でも、夜になると自宅の窓から抜けだし横須賀とか横浜に出かけ明け方まで遊んで帰るという不良娘であった。米軍基地で普通では手に入らない貴重なレコードを手に入れ、それを好きなグループサウンズのところに持って行った。「おっかけ」の女の子たちが持ってくるものといったらぬいぐるみとかぺろぺろキャンデーなどのお菓子と相場は決まっている。彼女の差し入れは異質で、音楽関係者を喜ばせた。この風変わりの少女はいつのまにか顔パスでスターの楽屋に入れるようになる。
すでに少女の頃からマーケティング活動を開始していたわけである。
しかも、ユーミンのダンボ耳は有名である。
深夜の喫茶店で若いカップルやグループが繰り広げる会話を何食わぬ顔で観察して、メモしていたという。つまり、自分の歌の購買層が集まるところに潜入して、嗜好や傾向を「リサーチ」していたのである。
ユーミンはマーケティングを意識することなく自然に時代が求めるものを敏感に感じ取り、リサーチし、かつ、効果的なプロモーション活動を行ってきたものである。
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