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話し方入門
D・カーネギー(創元社 2007.4.10第20刷)
価格:¥ 1,575
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私たちは、大勢を前にスピーチをすると、緊張で頭は混乱し、何を言っているのか途中でわからなくなることがある。
ところが、D・カーネギーに言わせると、大勢の人を前にした方が、気持ちを高揚して、頭の働きも明晰で鋭敏になり、インスピレーションがわき上がるのだそうだ。
この話し方入門は、不安を克服し自信を得るためのすぐれたルールが散りばめられている書である。
人前で話せるようになりたければ、次の4つのポイントを銘記しなければならないという。
1 よい話し手になろうという一途な執念を持つことから始める
人前で説得力をもって話せると言うことがどんな意味を持つのか考えなければいけない。金銭面での可能性はもとより、社会的に認められ、友達の輪も広がり、リーダーシップへの最短距離をつかむことができ、何よりも今までになかった新しい世界があなたの目の前に広がるはずである。
スピーチの技術は自分にとって何なのかを問い続け、それを得たいと一途に思い詰めるまでにならないといけない。
2 話そうとする内容を知り尽くす
テーマについて、十分に構想を練り内容を熟知していなければ人前で平静を保つことはできない。用意不足であれば誰だって自意識過剰におちいり、自己の怠惰を恥じ、無惨な結果を生むだけだ。
「胸の内に言いたいことが確かにあると思うまでは口を開いてはいけない」
3 あえて自信ありげに振る舞う
人間の行動は感情に従っているように見えるが、実際には感情が先か、行動が先かは、はっきりせず、両者は相伴っているといったほうがいい。
行動をコントロールすることで、意思のままにならない感情を間接的に律することができる。心が晴れないなら、いかにも快活らしく振る舞うことだ。
いつの時代も勇敢であることが求められる。
息を大きく吸う。身体中に酸素が増える。
胸の内は心臓が張り裂けそうでも、堂々と大股で進み出て落ち着き払って正面を向き、いかにもスピーチを楽しんでいるように振る舞う。
そして、今、目の前の聴衆は、みんなあなたに借金をしていて、支払期限を延期してもらおうとお願いするために集まってきていると想像してみる。その心理的効用はなかなかのものだ。
4 一にも練習、二にも練習
恐れは、無知と不安から生まれる。自信がないのは、経験不足の何ものでもない。
とにかく実践を積むしかない。
まず、あなたにとって自信のあるテーマを選び、それを3分の話にまとめてみよう。
ひとりで、何回も何回も練習した後、聞いてもらいたいと思うグループあるいは友人を前に、全力を傾けてその労作を疲労してみることから始めよう。
成功の経験こそが、恐怖心を取り除くことができる。
頭の中にも、心の中にも、言いたいことがあって、聞き手にそれを伝えたいと願っている人の話だからこそ、聴衆は話し手の話に思わず引き込まれてしまうのだ。
話したいことが湧き出るような状態にあれば、シナリオはおのずからできあがっていくと思う。
ところで、多くが犯す致命的な誤りは、準備を怠ることである。
戦う前に、弾薬が底をついてるような状態では何の展望もない。
講演は、ここでkougaiが書いてるような書籍紹介とは違う。
ネタや内容を、書籍から仕入れるのはよいが、聴衆をまえに説明するときは、もっと自分を話の中に注ぎ込まなければいけない。
聞き手は、本の中身は後で読めば知ることができるのだ。
会場まで足を運んできたのは、話し手がどう考えているかを知りたいがためだ。
スピーチが上達するために、記憶力は必須の要素である。
平均的に、人は本来の記憶力の10分の1ぐらいしか力を使っていないと言われている。残りの9割は、せっかくの記憶の自然法則があるのに、これに逆らうために、ものにすることができないでいる。
記憶の自然法則は次の3つ。
・印象づけ
・反復
・連想
記憶したいと思うものに、深く、鮮明に、そして持続性のある「印象」を持つようにすること。
そのためには「集中力」が必要だ。
一心不乱の1時間は、無為に過ごした数年間にもまさると言われている。
今、取り組んでいることに集中できてこそ、記憶につなげることができるのだ。
相手の名前を覚えられないのは物覚えが悪いからではなく、集中して物事を見ようとする観察力が足りないからだ。
物事を観察するときは、見る、聞くだけでなく、触れる、におう、味わうといった感覚も総動員しよう。
エジプトの大学受験ではコーランの暗誦が課される。コーランの長さは新約聖書と同じで、全文を朗読するだけで3日はかかるという。
アラブの学生はどうやって覚えるかというと「反復」である。
十分な反復を行えば、どんな量でも記憶は可能である。
覚えたいと思う知識はくりかえすこと。
話に使いたいひとまとまりの文章はどんどん使ってみること。
覚えたい人の名前は話の中で繰り返すこと。
覚えて8時間内に忘れる量は、その後30日間かけて忘れる量より多い。
8時間内の繰り返しが重要である。
大事なスピーチの直前に、資料にさっと目を通すことを怠ってはいけない。
記憶は「連想」を欠いては成り立たない。
何かを思い出せないとき、「思い出せ」「思い出せ」と自分に命令したからといって思い出せるものではない。何らかの「手がかり」が必要だ。
記憶力増強の秘訣がある。
それは、覚えるとき、数多くの連想の網の目をかぶせることが必要だ。
初めて人にあったときは、その人の容貌を細かく観察し、顔立ち、服装、話しぶりなどを見ながら、その中から強力な印象を探し当てたなら、その印象とその人の名前を結びつけるのである。
次にあったとき、印象が先によみがえり、そのあと名前がくっついて思い出されるはずである。
スピーチでは、メモに話す順番に従ってキーワードを書いておき、そのキーワードから言いたいことの要点を引き出せるようにしておけば、伝えなければならないことを飛び越してしまうようなことはなくなる。
なお、キーワードを無理やり続けて架空の物語をつくっておけば、メモもいらなくなる。
例えば、キーワードが、牛、葉巻、ナポレオン、家、宗教と続けば、
牛が葉巻を吸って、ナポレオンをツノでひっかけ・・・と、ナンセンスではあるが物語をつくって視覚的に思い出せるようにしておけばよい。この場合、物語はナンセンスであればナンセンスであるほど、覚えやすいそうだ。
聴衆の方を見ようともせず、宙に視線を定めたまま、あるいは、メモに目線を落としたまま、一方的に話している人がいるが、これは講演とは言わない。ただの独り言だ。
上手に話したければ、コミュニケーションへの意識を何よりも大切にしなければいけない。
聴衆の頭と心の両方に、しっかりあなたのメッセージが伝えられているのを感じながらスピーチを進めるようにしよう。
15人程度のビジネスの会議だろうが、千人を超える大集会であろうが、聴衆が求めるのは一つ。気楽なおしゃべりをする時の話し方、つまり、聴衆の中の一人を相手にするような普通の話し方なのだ。
といっても、小さな声でぼそぼそ話せと言ってるわけではない。
大人数であれば、声に力は入れないと、聞き手には伝わらない。
声に力を入れ、しかも自然に話せるようになるために一番よい方法は、もちろん練習である。
自然に話すというのは簡単そうで簡単ではない。
練習しながら、自然でない話し方に何度も気づくはずだ。そのたびに、悪いところを直すようにして、素直に、誠実に、楽しく、会話調に話せるようになるまで、ひたすら練習を繰り返そう。
スピーチの終わりは、一番の腕のふるいどころだ。
最後に言った言葉は、いつまでも長く記憶される。
自分を印象づけるためにもっとも重要な場面である。
多くの初心者はあまりに唐突に終わりすぎる。
話し手にとってはわかりきったことでも、聴衆にとっては今日初めて聞くことばかりだ。
だからこそ、話したことの要点のすべてを要約して最後に話すべきだ。
話の目的が行動をうながすことであれば、必ずそのことに触れるようにするべきだ。
ときには、聞き手の心に楽しく幸せな、楽観的な気分を残すことが必要なときもある。 演説の終わりにクライマックスをもっていくという高度のワザもある。
言葉をたたみかけながら、センテンスごとに勢いを強め、最高潮に導くワザである。
スピーチの上手な始め方と終わり方についても、日ごろ研究や実践を積み重ねて、着実に成果を積み上げていただきたい。
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