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「池上彰の情報力」 ダイヤモンド社
〜ニュースキャスター池上彰の情報整理ノウハウ大公開〜 |
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筆者は、毎週土曜日の夕方に放送される「NHK週刊子どもニュース」でキャスターを務めている。大人向けのニュースであれば、専門用語で要約して伝えることができるが、子ども向けの場合はそれができない。専門用語を子どもでもわかる言葉に置き換えていくには並々ならぬ努力が必要だ。そのため、池上氏は1週間をかけてアンテナを張りめぐらし、情報を収集するとともに、これらの集めたニュースを子どもにわかるように徹底的にかみ砕き、わかりやすく編集する。その作業を通して池上氏自身が編み出した様々なスキルは大人にも十分通用するもので、当著であまねく紹介されている。
例えば、フセイン後のイラク情勢を説明するとき、独裁政権崩壊の意味を子どもにわかりやすく説明しなければならない。崩壊によりタガが外れるニュアンスをうまく伝えるため、フセイン大統領の人形がイラク全土を押さえ、やがて人形の腕が外れて国全体ががたがた揺れる様子をビジュアルに伝える模型図をつくった苦労話などが紹介されている。
池上氏はNHKのニュースの事情について詳しく話す。7時台のニュースと10時台のニュースと朝の「おはよう日本」ではスタンスが違う。まず、7時台は、その日の国内の大きなニュースをコンパクトに知らせていくということにしており、10時台になると、ニュースを絞られ、解説に比重がおかれるようになる。また、朝のニュースでは時差で間に合わなかった海外のニュースがいくつか入ってくるので、それを加えることになっている。また、NHKニュースは、いわば素材を生かした「おつくり」といえ、民放のニュースは素材を加工してこってり味付けした「シェフのおすすめ料理」といえる。
ところで、いい機会であるので、私の意見を言わせてもらう。
私は、昼間はまったく堅気の仕事をさせていただいており(これ書いてる今は何なの?)、メルマガのテーマともずいぶん離れている。
NHK地方局(読者で関係者がいたらごめんなさい)と一緒に仕事をしたとき、公共放送であるべきNHKはかなり偏向な部分があることに気づいた。ある意見を表明しようとしたとき、それは少数派であるが、声の高い反対派の強い抗議が以前あったので出さないでくれという。科学的に証明され反対する理由がないにもかかわらず、そのときの反対団体の声が大きかったという感覚的な理由で、表明しないようにひたすらお願いされたのである。正しい報道しないのなら受信料返せ。
さて、話しがそれてしまったが、著者の池上氏にとって、ニュースをただ聞き流しているわけにはいかないので、大学ノートの左側にニュースの内容をメモし、右側の池上氏の「だから、何なんだ」と意見や感想を書いていくそうだ。
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池上氏は、「東洋経済」、「ダイヤモンド」など経済専門誌は書店で選ぶことにしている。なぜなら、経済専門誌は読者獲得に向けそれぞれ趣向を凝らして激戦を繰り広げているので、特集記事の見出しなどを見比べながら書店で選ぶことを楽しみにしているからである。池上氏は気に入った専門誌を買い込み、必要な記事を切り取りスクラップして保存している。
インターネットで新聞記事が読めるようになり、しかもリアルタイムなので、購読者数が減るのではないかと心配される向きもあるが、真の特ダネは敢えてサイトに掲載しないらしい。他社に知られたくないためというのが理由で、新聞サイトに関してはインターネットだからリアルタイムということでもなさそうだ。
池上氏はNHK記者として入社して、しばらくは地方局で警察回りを経験している。刑事達は捜査中の情報は口に出そうとしない。その堅い口から情報を聞き出すテクニックは、そのまま営業マンが参考にすることができる内容だ。基本は足繁く通って、まず顔を覚えてもらうことだ。直接的なことは訊かず、といって、ご機嫌伺いだけの御用聞きのようなこともしない。池上氏はそこらの兼ね合いに悩んだあげく、いろいろ事件の仮説を組み立て刑事にぶつけることにした。ぶつけられた刑事もおっと反応することもあれば、見当違いに笑うこともある。それを繰り返すことで、少しずつ心を開いて、必要な情報が入ってきたという。相手が話をするときは、謙虚に耳を貸し、「あなたの話を聞きたい」という気持ちを絶えず相手に向けることで、心を開かせることができるそうだ。
池上氏の情報収集術はアナログ式にこだわる。興味のある新聞記事を切り抜きスクラップブックにして整理する。システム手帳は手間とお金がかかるのでシステム手帳に貼り付けるようなことはしない。どんなに小さな記事でも、記事1つにルーズリーフ1枚と決めている。経済観念が働いてルーズリーフ1枚に複数の記事を貼りつけたりすると、あとで整理するときに困る。ルーズリーフはスーパーなどで安売りしているときに二百枚セットなどお徳用を大量に買い込めばよい。
手帳の整理は、情報収集自体が目的となるおそれがあるので、できるだけ時間をかけないようにしている。また、アイデアメモなどは、書き損じやワープロ用紙の裏側などに構わず書き込んでいるという。さすが情報整理の実践派といったところだ。また、池上氏の読書術も紹介されている。読む本の量もハードスケジュールのなか、年間200から250冊というからたいしたものだ。といっても速読術でこなしているわけではなく、自然流らしい。絶えず、本を複数冊カバンに忍ばせ、スケジュールのすき間や移動時間には必ず読書をしている。絶えず読むことで、発想力、文章力を維持しているということだ。
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池上彰の情報力
ダイヤモンド社 価格: ¥1,470 (税込)
目次
「さあて、今週は何をしようか」―まえがきにかえて 第1章 私の情報収集術 第2章 私の取材・インタビュー術 第3章
私の情報整理術 第4章 私の読書術 第5章 私の情報解釈術 第6章
私の情報発信術 職場の仲間に育てられる―あとがきにかえて
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