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生き方
  稲盛和夫著(サンマーク出版1,700円)


 稲盛氏は京セラとKDDIの2つの大会社を設立された経営者として知られる。稲盛氏は自分の成功の理由は才によるものでなく、人間として正しいことを追求するという単純な、しかし力強い指針であったと解説する。混迷の時代だからこそ、稲盛氏の愚直なまでの人間らしく、そして正義を貫く姿勢は、現代に生きる「武士道」の実践者ともいえ、われわれに生き方の指針を与えるものである。

 稲盛氏は現代で成功しようとするなら、不正や小手先では上手くいかず、「人間は何のために生きるか」という根本的な問いを自分に投げかけ、自分自身の中から「哲学」を確立することが必要であると説く。

 人間、生きている間は、財産、地位、名誉などいろいろな欲望に惑わされる。しかし、それらは「死」とともに、すべて失うものであり、固執すれば見苦しい死を招くことにもなる。死んでもあの世に持って行けるものはただ一つ、「魂」だけである。

 「魂」をもってこの世に生まれてきたからには、することは一つ、その「魂」をしっかり磨いて、あの世にいくときには高次元の「魂」をもっていく。生きていくことは苦しい。でも、それは「魂」を磨くために与えられた絶好の機会なのだという。

 人格を練り、あの世に持っていくための魂を磨くため、特別の修行はいらない。懸命に働けばよい。目の前の仕事に脇目もふらず打ち込めれば、お釈迦様が説く「精進」と同じ効果を生む。働くということは、欲望に打ち勝ち、心を磨き、人間性をつくる効果がある。

人生・仕事の結果「幸福」を得るため

 = 考え方 × 熱意 × 能力


 いくら、熱意や能力があっても、最初の「考え方」が間違っていれば幸福は得られない。

 生き方を変えるにはきれいな心を持つことが大前提となる。仏教の教えに「思念が業(ごう)をつくる」というのがある。これは、「思考は現実化する」という考え方と同じで、人生は強く思ったことが現象として必ず現れるという「宇宙の法則」を表している。

 燃えるような情熱をもって、人知れず努力を積み重ね研究をすれば、ふとした休息の瞬間や、就寝中の夢の中などに、画期的な発明を成し遂げることがある。稲盛氏自身、京都の小さな碍子メーカーの研究員時代に、アメリカの巨大企業GEが開発した新素材に匹敵するくらい高性能のセラミックスの開発に成功する。その頃の稲盛氏の開発に向けた努力は、「狂」がつくほどのすさまじいものであったという


 願望を成就につなげるためには並に思う程度ではだめだ。願望として寝ても覚めても四六時中そのことを思い続けるくらいの強さがなければ思いを実現させることはできない。「狂」がつくほど強く思い、願望を持つことが不可欠である。

 稲盛氏はKDDIで「いつでも、どこでも、だれとでもつながる携帯電話によるコミュニケーション」という夢物語を役員会で語ったとき、他の役員達から失笑を買ったという。しかし、稲盛氏は、携帯電話が普及した社会を一生懸命イメージして強力に自分の脳裏に焼き付けた。周りの技術者は稲盛氏に無理であることをさとそうとした。そのとき、稲盛氏は、自分の提案を「おもしろい。ぜひやりましょう。」と無邪気に喜ぶ楽観的な人間を集め、話をして創造やアイデアをふくらませた。

 アイデアや構想を描くときは楽観的がちょううどいいそうだ。しかし、構想を具体的な計画に移すときには、徹底的な悲観論者になって、あらゆるリスクを想定して慎重にプランづくりをしたという。

 京セラがIBMから、恐ろしく厳しい精度で製品をつくるように分厚い仕様書に書かれた注文を受け、社員一同、一流企業からの仕事を成し遂げネームバリューを上げようと必死にがんばったが、いずれもIBMの審査を通らず、何度も突き返されることになった。

 万策尽き、セラミックを焼く炉の前で立ちつくす社員達に、「神に祈りなさい」とまで稲盛氏に言わせるぐらい超人的な努力が続いた結果、IBMの提示した恐ろしく高い基準を満たす製品をつくることができたのである。その時、「人間の能力は無限だ」と感じたという。無理だと思える高い目標にもひるまず情熱を傾ければ、自分自身に眠る潜在能力まで開花させ、びっくりするくらい自分を成長させることができると稲盛氏は説く。
 筑波大学で遺伝子学を教える村上名誉教授は、日頃からずっと思いを抱いていると、OFF状態であった遺伝子にスイッチが入ってONになり「火事場のバカ力」が発揮できるという。思い(イメージ)が実現化するのは遺伝子学的にも証明されている。

 毎日の創意工夫が、大きな飛躍を生み出す。京セラは特別優秀な技術者がいたから一流になれたわけではない。むしろ、優秀な技術者は亀の歩みのようにのろく、地味な実験の連続に嫌気がさして辞めていったそうだ。平凡ではあるが、1日1日を懸命に、そして「創意工夫する心」を忘れずに歩み続けたからこそ今の京セラがある。

 「現場には神がいる」、現場で小さな発見と、それに基づくささやかな創意工夫を、疎まず持続することで、成功への道が開けてくる。「現場には神がいる」は、数々の難事件の弁護を引き受けてきた中坊公平弁護士の言葉だ。

 部下や同僚から、とりとめのない報告を受けている間、相手が目の前で話しているのに注意力がそがれ、別のことを考えていたというような経験をされた方はいないだろうか。私は時々、部下から「一度話しましたけど」と言われることがある。稲盛氏も、それを経験し、立ち話では、絶対報告を受けないようにしているという。

 偉くなれば偉くなるほど、報告の幅は広がってくるし、重要な問題点を含んでいて意志決定の決断が迫られることが多くなってくる。アタマの切り替えを瞬時に行い、目の前の報告者の説明に聞き入るには、相当の集中力が必要となってくる。

 稲盛氏はそれを「有意注意」と名付ける。つまり、意識して目の前の事象に注意を払い続けることを「有意注意」と定義し、後ろで物音がしたときに思わず振り返る「無意注意」と区別した。

 現場で製造過程で問題点を抱えているとき、稲盛氏は部下に有意注意でひたすら観察するように指示する。初めは集中力を持続するのはしんどいが、だんだん習慣化されてきて、仕事でも大きな成果を得ることができるようになるという。

 この「有意注意」を、美浜原発が実施していれば、事故が防げたかもしれない。


 あふれるほどの夢を描き、大志を抱き、強く願望すれば、自分の人生をしっかり創造していくことができる。稲盛氏は、京セラを創業した当時から、確証はなかったが、従業員に将来の夢を語り続け、やがて、従業員も同じ夢を持つようになった。

 夢が大きければ、大きいほど、その実現に至るまでは、遠い道のりに映るだろうが、そこに至るまでのシミュレーションを何度もイメージしてみる。強い思いを持ち続けていると、道を歩いているときとか、友人と話をしているときなど、事業のアイデアが突然浮かぶという。いくつになっても夢を抱きつづけることで、魅力的でいられるし、人格も磨かれていく。


 人間には3つの種類がある。
 一つは、火に近づけても燃えない者
 一つは、火に近づけると燃える者
 一つは、自分で勝手に燃えている者

 稲盛氏に言わせると、火を近づけても燃えない者は会社には不要であるらしい。周りの者まで冷えさせるので有害であるとさえ言う。燃えるためにどうすればいいのかというと答えはただ一つ、「仕事が好きになること」である。それでは、仕事が好きになれない人はどうすればいいかというと、「とにかく、一心不乱に仕事に打ち込んでみる」ことであるらしい。「好き」と「打ち込む」は、コインの裏と表の関係で、「打ち込む」ことで「好き」になることも多いと説く。

 京セラで稲盛氏が社長を務めているとき、いろいろなやっかい事が社長室に持ち込まれる。複雑怪奇に思えたトラブル事も、ていねいに一本ずつ、原因を解きほぐしていけば、連絡不足とか、思いやり不足など、些細な問題が元になっている場合がほとんどだ。

 物事を単純に見て、いつでも原理原則から考えるようにすると、どんなに複雑に絡み合った問題であっても、一つひとつ絡み合った糸を解きほぐすことで、意外と簡単に解決させることができる。稲盛氏は「原理原則」に立ち返ることが重要であると強調する。
発売たちまちベストセラー!稲盛和夫の『生き方』


生き方
  稲盛和夫著(サンマーク出版1,700円)


目次

プロローグ(混迷の時代だからこそ「生き方」を問い直す
魂を磨いていくことが、この世を生きる意味 ほか)
第1章 思いを実現させる(求めたものだけが手に入るという人生の法則
寝ても覚めても強烈に思いつづけることが大切 ほか)
第2章 原理原則から考える(人生も経営も原理原則はシンプルがいい
迷ったときの道しるべとなる「生きた哲学」 ほか)
第3章 心を磨き、高める(日本人はなぜその「美しい心」を失ってしまったか
リーダーには才よりも徳が求められる ほか)
第4章 利他の心で生きる(托鉢の行をして出会った人の心のあたたかさ
心の持ち方ひとつで地獄は極楽にもなる ほか)
第5章 宇宙の流れと調和する(人生をつかさどる見えざる大きな二つの力
因果応報の法則を知れば運命も変えられる ほか)

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