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社会に出て何年か働くと、昇進してイヤでも部下ができる。
理想的な部下であればいいけど、あなたが理想の上司にめぐり会えないのと同じぐらいの確率で、そうそういい部下がつくわけではない。
それでなくても自分だけで精一杯なのに、部下の面倒を見ながら、昇進に見合う成果を出さなければ「上司失格」の烙印を押される。
著者の松尾氏はセミナー講師やコンサルタントを務めるなかで、多くの経営者やマネージャーと接し、上司が機能するための「ある法則」に気づく。自分の部下にその法則を適用したところ、部下に大きな変化が表れた。
現在のように経営を取り巻く環境が目まぐるしく変化する時代においては、年令と経験だけに頼って上司を務めていると簡単に「上司失格」の烙印を押されてしまう。
世の中必要な上司は3割しかいないという説もある。
この本は、その3割に仲間入りするには、どうすればよいか書かれた本である。
始めて部下を持つ人は背伸びしがちだ。
自分を偉く見せようとして、部下にいろいろと自分の経験を語りたがる。
でも部下は「また始まったよ」といったぐらいしか聞いていない。
このような勘違い上司にだけはならないことだ。
上司は偉そうにしなくてもいい。
上司は部下に話し過ぎなくてもいい。
上司がすることはもっとほかにある。
毎スキでは「聞く」ことの大切さを何度か取り上げている。
上司として生き残るためにも「聞く」ことの重要性を忘れてはならない。
人は誰でも自分ことを話すのが好きだ。
上司の特権として、過去の自慢話を何度も聞かせられたらたまったものではない。
部下は、次第に聞く耳を持たなくなる。その上司がどんなに大事なことを言っても、拒絶反応を示され、話を半分も聞いてくれなくなるはずだ。
人の話を聞くことは苦痛が伴う。
しかし、上司であるあなたは、苦痛覚悟で、部下の話を聞いて聞いて聞き倒すくらいの覚悟が必要だ。
部下とつまらない議論はしない。
たとえ、どんなに知識や経験で部下に勝っていても、議論すべきではない。
部下を論破したところで、何も残らない。いくら論理で説得されても、人の気持ちは変えられないものだ。
それよりは、あなたにとっても、部下にとってもプラスになることは何かいつも考えるようにするべきだ。たとえば、部下ががんばったときは、朝礼やミーティングで部下の功績をたたえるようにする。部下ががんばれば上司の評価も上がる。この場合、部下だけが評価されればいいなんて偽善者ぶらない方が良い。
「君だけでなく、私にとってもプラスになる」と部下にもはっきりと伝え、部下を表舞台にたたせるべきだ。
そうすれば、部下はあなたと運命をともにして戦っているという気持ちになってくれる。
上司は部下から応援されなくていけない宿命を背負っている。
同性にも異性にももてる人間性、仕事への熱い思い、仕事とオフのいい意味でのギャップ、部下の話を聴く能力などが求められる。
部下に応援されることが大前提である。
そして、部下を信頼し、仕事をまかせる姿勢を示すことで、部下は成長する。
その上で、部下に対して問題があれば言いにくいことも言う。
松尾氏は、会社を切り盛りする中で、マネージャーとしての醍醐味は、部下の才能が「開花」する瞬間だという。
部下を信用できなければ部下は成長しない。
上司になってからといって、自分の性格を変えることはできないものだ。
弱気な人は弱気のままだ。
でも、部下の前では実生活と違う顔を見せなければいけない。
上司を演じることが重要だ。
松尾氏は、セミナーの講演の壇上に立つとき参加者に元気とやる気を与えるメッセンジャーを演じているという。壇上に立つ前は、その場から逃げ出したくなるくらい弱気な気持ちに支配されることがある。だからこそ、人を元気にさせるメッセンジャー役を演じるのだと自分に言い聞かせ聴衆の前に進み出るようにしているのだそうだ。
上司は部下から尊敬される人間を演じなければいけない。
愚痴をこぼしたくなるときでも、ぐっとこらえる。
自分の部屋に社長が来たときは、へーこらして、帰ると尊大になるような「内弁慶」をさらけ出してはならない。
社長の前では毅然とした態度を示し、やる気のある部下の話を社長にするくらいの役を演じてほしい。
上司は適材適所に部下を配置し、総指揮をとらなければならない。
いわばオーケストラの指揮者や野球の監督のようなものだ。
上司は戦略や戦術を練り、部下に作戦を与え、その動きを把握し、心情的なフォローも行い最終的な責任を負わなければならない。
生き残る3割の上司に仲間入りしたければ、組織自身が常勝し、生き残る術を常に考え続けなければいけない。
組織が常勝する術を考えるのが上司の最大の役割である。
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