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感動力
平野秀典著(ゴマブックス1,500円)
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著者の平野秀典氏は10年間の演劇俳優を活かした後、ビジネスの世界に転向し、演劇の「感動」創造をビジネスにも活かした「ドラマティックマーケティング」を展開。その実践を通して、これまでのような顧客満足ではなく、顧客に感動を提供するビジネスにパラダイムを変換することで収益力も著しくアップさせることができると著書の中で主張する。「感動力」を身につけることで営業力をアップさせるだけでなく、自分自身も感動に満ちた幸せな生き方に変えていくことができるという。
「感動力」で素晴らしいビジネスを展開している会社は誰もが知っている東京ディズニーランドである。ディズニーの社員(「キャスト」と呼ばれる)にインタビューしたところ次のような答えが返ってきた。
「ディズニーランドは、当たり前のことが堂々とできる空間でした。」
・初めての人に、飛び切りの笑顔で「こんにちわ」
・アイコンタクト。目を合わせて笑顔であいさつ
・両手でモノを受け渡し、両手で手を振って、バイバイ
今、街なかで上記のような行為をすると誘拐犯か変態と間違えられる。その当たり前のことができる舞台がディズニーランドなのである。「感動力」とはそう難しいことではない。
現代は、「感動」が薄れてしまっている。みんな、感動を求めている。「感動探し」は約5兆円市場といわれている。感動したいと思っている人はたくさんいるのに、感動させることができる人はわずかしかいない。大きなビジネスチャンスが、転がっているとはいえないだろうか。
感動力は、新しく手に入れるものではない。もともと、誰もが持っている。それを使わなくなったので、さびついているだけだ。子供の頃を思い出して欲しい。見るもの、触るものが全部感動の対象であったはずだ。子供の頃の感動力を思い出し、それを磨くことで「感動力」は誰でも取り戻すことができる。
筆者は役者時代、感動を観客に与えることに意を配ってきた。演じる自分が感動していないと、観客は感動しないそうだ。特に園児は観客の中でも強敵であったらしい。自分が感動していないと、敏感に園児の心に伝わるそうだ。
感動が伝わる時、あなたの「鏡」に映った感動を見て、人も感動するのだ。感動を磨くテクニックは、ただ2つ。
一つは、その「鏡」自身を磨くこと。
もう一つは、「鏡」に映った感動をうまく伝える表現力を磨くことだ。
よどみなく立て板に水のようにプレゼンすればよいというものでもなく、つっかえ、つっかえでも、相手に底知れぬ感動を与えることだってある。その誠実な表現力は、小手先でなく、日々の積み重ねにより自分を磨くことで身につけることができる。
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黄金の方式・・・モノを買うのは、それでもたらせる感情を買うため。
現在は、顧客満足ではお客は動かない。21世紀型ビジネスは、顧客の先にある「感動を提供する」ものでなければ、売れない。
感情は提供できる。ところで、学校で教えてくれるのは「満足」の提供の方法までであって、「感動」となると、学校では教えてくれない。全人的な能力に負うところが大きいからだ。これは、もって生まれたものでなく、「感動」を自ら提供することを心に誓った日から、パラダイムの変換が起き、「感動力」を少しずつ身につけることができるようになる。
この本で、本当に感動させられ、週末の小旅行中にバスで読んでいたのだが、涙が止まらなくなった箇所がある。本で泣くというのは、めったに経験しないことだが、皆さんも、書店で「感動力」を見つけたら、148ページから153ページまでを読んでみてほしい。
平野氏が、お風呂制作メーカーで商品開発のコンサルタントをしているときに、スタッフに、製品を開発するとき「誰かを幸せにしたい、感動させたい」という気持ちでつくり、それをセールスレターでまとめてくるようにという宿題を出した。
スタッフの一人が「父に掲げる世界に一つだけのギフト」という題名で、新製品と、それに添えられたセールスレターの提出がなさされた。
そのお風呂はスタッフの中の一人の父への思いを開発に活かしたものであった。そのお父さんは、子どもからも手を離れ、これからはゆっくりできるだろうというときに病気になり亡くなってしまった。
「仕事から疲れて帰ってきたお父さんには、新しいお風呂はゆったりと眠るように浸ることができ、足裏をマッサージするので、疲れをいやしてくれるだろうし、お母さんの体調ばかり気遣っていたお父さんのためにお風呂は掃除がしやすく汚れにくい設計にもなっているなど、すでにこの世にいないお父さんが一番喜んでくれるお風呂をモチーフに、設計されたのだという。
本の内容はうまく伝えられないが、やはり現物を読んでみていただきたい。感動は、サービス業だけでなく、ものづくりにも大いに関係することがわかる |
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感動力
平野秀典著(ゴマブックス1,500円)
目次
プロローグ 「感動力」という新しいチカラ
1 当たり前の奇跡
2 「感動マジック」の種明かし
3
「初心忘るべからず」の知られざる意味
4 振る舞いと出来映え
5 思いがつくるもの
6 意識のチカラ
7 表現する責任
エピローグ
感動は流れる水のごとく
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