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3月19日〜3月23日(毎日スキルアップ通信で紹介)


   これから何が起こるのか
         我々の働き方を変える「75の変化」
 
             田坂広志 PHP(第1刷2006.12.11)
                     (第3刷2007. 3. 6)
              
  


 「情報革命」によってこれから何が起きるのかというのが本書のメインテーマである。

 情報革命の意味は、情報通信の進展により事業の効率化、合理化、コスト削減のことだろうと考えている人がいるが、この本の著者田坂氏によるとそれは間違いであるらしい。

 「革命」は、新しいことを始めることを言うのではない。
 「革命」は、「権力」の移行である。
 いつの時代も革命で新しい権力が政権を握ったはずだ。

 情報革命で権力を握ったのはどちらかというとこれまでの「情報弱者」である。
 情報革命により、次のような権力の移行がみられる。

・経営幹部から一般社員へ
  例)若手社員が電子メールで職場のメンバー全員に企画書を提示
・生産者から消費者へ
  例)一消費者が企業へのクレームをネット掲示板で一斉に公開
・自治体から生活者へ
  例)自分の自治体のサービスを他の自治体のそれとネットで比較

 「情報革命」は時代とともに呼び名を変えてきている。

 わが国において、1995年に始まった「インターネット革命」が、2000年頃から「ブロードバンド革命」と呼ばれるようになった。

 「ブロードバンド革命」においては、次のような特徴が挙げられる。

・現在は誰もが手軽にほしい情報を手に入れることができる。
・そして、草の根メディアが広まり誰もが趣味や意見を公表できる。
・また、ネットを使って高度な知識も多くの人で共有できるようになった。

 ここまでは、インターネットの普及により、誰もが実感しているところであろう。

 そして、現在はさらに進み、「ウェブ2.0革命」と呼ばれる時代が到来した。



 情報革命に抱くイメージは、世界の情報を家にいながらにして手に入れることができるというレベルであったと思う。

 ところが、ウェブ2.0革命はさらにその上をいく。
 これからは「まだ存在しない情報」までも手に入れることができるようになるのだ。

 具体的な例を挙げれば、リナックスの開発である。
 フィンランドの大学生が自分の開発した基本ソフト「リナックス」を無償で公開してしまった。この基本ソフトを世界中の何千人というプログラマーがボランティアで知恵を出し改良を続けている。現在では、マイクロソフトの「ウインドウズ」を脅かすほどの性能を備えたソフトにまで発展している。

 また、ウェブ百科事典「ウィキペディア」も同じように、たくさんの人が善意で百科事典の製作に関わり、大きなサイトとして成長を遂げている。専門家でないので情報が不確かであろうと思われるかもしれないが、実はある調査で専門家が編集した事典と比べても正確さにおいて遜色がないとの結果が出ているのだ。

 知恵だけではない。「電車男」のようにいろいろな「思い」までが集まって、ウェブ上で共感がつくりだされるような現象も起きている。

 ウェブ2.0革命により「衆知」を集めたり、誰もが納得する「問題解決」が、ウェブ上で、より強力に、かつ、簡単にできるようになったのだ。


 この「衆知創発」と呼べるものが、ウェブ2.0革命がもたらす「三つの革命」の中の一つである。



「ウェブ2.0革命」は「三つの革命」をもたらす。

 一つ目の革命は、先日、リナックスやウィキペディアを例にとって
話した「衆知創発」である。

 二つめの革命は本日お話しする「主客融合」である。

 情報化の進展により、情報発信者と情報受信者、生産者と消費者、
企業と顧客の区別がつきにくくなっている現象はすでに起きている。

 主客融合のよい例が、ネットでの書籍販売「アマゾン」の書評である。
 kougaiもアマゾンから本を購入するときは、☆印や書評欄を必ずチェ
ックするようにしている。書評を書く人たちは、著者側から何らインセ
ンティブも働かないので、思った通りの書評が書ける。だからこそ、
これから購入を検討する人には参考になる。書評を寄せる人自身も顧客
なのだが、情報発信者にもなっている。これが主客融合の例だ。


 ウェブ2.0革命により、「主」と「客」の協業関係がさらに強まる
どころか、主客交代現象さえ起きているのだ。

 例えば、エレファント・デザインというベンチャー企業が提供する
「空想生活」では、「こんなデザインの家電製品がほしい」という要望
を会員ユーザーから集め、それに基づき提携デザイナーが製品開発を
行い、提携メーカーが商品化するというこれまでにないビジネスモデル
である。

 つまり、生産者主導から、消費者主導に時代は移り変わろうとして
いるのだ。


【参考】空想生活
http://www.cuusoo.com/
 



 情報化の進展により社内だけでなく自宅にいても知識が共有できるようになった。

 この「ナレッジ共有革命」は、「ウェブ2.0革命」により、「感性共有」にまで進化する。

 多くの人々が、感情や感動、感覚や感性まで共有できるようになるのだ。

 今、わが家の娘がはまっているのに「ユー・チューブ(You Tube)」というサイトがある。世界中の人が動画を投稿している草の根サイトである。

 これは国境を越え、言葉を超え、感情や感動、感覚を共有できるサイトである。


【参考】ユー・チューブ(You Tube)
http://www.youtube.com/


 今後、マスメディアと草の根メディアは、ますます相互浸透、相互進化を遂げていくであろう。

 その方向性は、「衆知創発」、「主客融合」、「感性共有」の3つである。
 この動きはメディアだけではない。

 企業も市場も、社会も同様の進化を遂げていく。
 「資本主義全体の進化」といってよいほど壮大な進化がこれから見られるであろう。


【参考】ソフィアバンク・ラジオ・ステーションHP

田坂広志氏の音声で
『「ウェブ2.0革命」がもたらす「三つの革命」とは何か』が聴けます。
http://www.sophiabank.co.jp/bangumi/prg060901_04/index.php


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