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ロングテール
「売れない商品」を宝の山に変える新戦略
クリス・アンダーソン著 早川書房(2006.09.30)
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大晦日になると、毎年同じことを思う。
レコード大賞や紅白歌合戦に出てくる歌手を知らない。歌も知らない。
一年の最後になってはじめて見るタレントばかり
もともと歌番組には興味ないし、年寄りだからと言われればそれまでなのだが、同じようなことを思っている人は多いのではないだろうか。
年寄りの言いたそうなこと「昔は違った」
大晦日になると、家族揃ってテレビの前に座り、レコード大賞や紅白歌合戦を見たものだ。出てくる歌手や曲名は、街のあちこちでかかっていたヒット曲で、おじいちゃんもおばあちゃんも、子どももみんな知っている歌ばかりだった・・・
本の紹介なのにkougaiは何を言っているのだろう(^^;
実は、本の題名「ロングテール」とものすごく関係する話なのである。
「ロングテール」とは、だらだらと尾を引き、いつまでもゼロにならない減少曲線をいう。
参照Wikipedia「ロングテール」
http://tinyurl.com/qchkf
昔の商品別売上曲線はメガヒットがいくつかあって、その他の売れない商品は極端に売上数が減少する急カーブの曲線であった。
ところが、現代の商品別売上曲線は、ヒット作品はいくつかあるにしても、それに続く商品別売上曲線は、なだらかにカーブしながら少しずつ減少していく「ロングテール」の弧を描くのだ。
つまり、現代は人の好みや価値観が多様化して、ヒットしない商品でもそこそこに売れるため、長いしっぽとなって表わされるのである。
70年代から80年代は、ヒット曲は文字通り、街中で四六時中流れていた。
ラジオや有線は数少ないヒット曲を何回も繰り返して流していたはずだ。
だから、誰もが曲を覚えて口ずさむようになる。
それらの年間を通してヒットした曲が大晦日に集結して歌われるわけだから紅白は国民的番組でいられたわけだ。
一昔前の子どもと、今の子どもは、違う世界に生きている。
うちの娘を見てもわかる。
ipod(アイポッド)を持っていて、iTunes(アイチューンズ)から知っている歌から知らない歌までたくさんダウンロードして聴いている。
インターネットでアマチュアの音楽も手に入れているようだ。
メジャーもアングラも区別していない。
国民的な番組がないから、夕べのテレビ番組を観ていなかったからといって、友達と話が合わないといった心配もない。
だから、純粋に好きなものだけを選んで楽しんでいる。
その父親(kougai)も、昔は大衆文化を生きたくせに、今では滅多にテレビを観ない。自分の部屋にこもってメルマガを書いている(^^;娘に読んでほしいと秘かに思っているのだが娘はメルマガの中身にはほとんど興味を示さない。
母親(kougaiの妻)は、テレビ番組をリアルタイムでなく録画して観る。
地上局、BS、catvなどから今昔を問わず好きなものだけを選ぶ。
家族3人が今はまっているのは、任天堂のwii(ウィー)である。
それぞれがリモコンを持ち、テニスやボーリングゲームに興じる。
昔はよかったと思いがちなのだが、考えてみれば昔の大衆文化はほとんど選択の余地がなかったのだ。
だから、レコードを買う人も買わない人も、ヒット曲は国民的に歌われた。
今は、どんなに売れようと、買っているのはほとんど中高校生というような現象が起きている。
ヒットを生み出さなければならないメーカーとしては大変な受難の時代を迎えたわけだ。
アマゾンで本の売り上げ状況を調べることができる。
当誌で紹介する書籍の売上状況を掲載の前に調べるようにしているが、これは売れているだろうと思った本の順位が何千、何万位だったりして驚くことがある。
ちなみに、今回紹介している「ロングテール」は2,743位である。
今週の特集で取り上げている「同じテーブルの10人の名前簡単に覚えられます」に至っては14,184位である。
以前は、売れる商品は全体の2割を占め、その売上額は全体の8割を占めていた。当メルマガでもたびたび登場する「8020の法則」である。
ところが、アマゾンでは現在、順位で上位2割に入らない商品の売上額は全体の3分の1を占めているという。「8020の法則」でいくと5分の1にとどまるはずなのに、それをオーバーしているということは、消費の世界において「8020の法則」はすでに通用しなくなったと言えそうだ。
これこそが、人々の価値観が多様化し、そこそこに売れるたくさんのニッチ商品が市場に出回る「ロングテール」の時代の幕開けである。
iTunes(アイチューンズ)やアマゾンなどでは、ニッチ商品が大市場となっている。
「今日の梱包にかかるコストがほぼゼロで、すべてのコンテンツにすぐアクセスできる世界では消費者は一貫した行動をとる。つまり商品をほぼ全部見る」
著者は、その理由はネット世界の無限のキャパシティからきていると説明する。
つまり、昔のメディアはキャパシティが限られていたからヒット商品が必要だった。
ところが、今日のネット社会においてはキャパは無限に広いので、ヒットしない商品の方がヒット商品よりずっと多くなる。デジタルコンテンツの世界では、このニッチ商品が大きな存在となるのだ。
ロングテールは無限の選択肢が存在する市場で消費者がどう行動するか、インターネット時代の新しい経済の法則を示している。
近頃、検索するとWikipedia(ウィキペディア)によく行き当たる。
Wikipediaは、一言で言えばオンライン百科事典である。
誰もが、新しい用語の説明記事を書いたり、編集することができる。
記事づくりへの参加は自由で、利用も無料である。
信頼性は、もちろん『ブリタニカ』や『エンカルタ』に比べれば格段に落ちるが、豊富な情報量、情報の新鮮さ、無料という魅力には逆らえない。
毎スキの読者にも、これを利用されている方は多いと思う。
『ブリタニカ』や『エンカルタ』では情報量に限りがある。
ところが、Wikipediaはどんなマイナーな記事でもはねられることはなく掲載される。
百パーセント信頼できるわけではないが、確率統計的には有用であるという考え方も成り立つ。
同様に、アマチュアパワーによる生産物はたくさんある。このメルマガもそうだが、ブログの普及はめざましいものがある。
メルマガ、ブログともプロの編集者、学者、ジャーナリストの手によるものではないものがほとんどであり、書いてあることに全信頼はおけない。
でも、これらの集合知のパワーは、リスクを超えるものがある。
信頼できなければ、他のブログを読んだり、Googleで検索したりして、確率統計のような方法、いわゆる多数決で正解を導けばよいのだ。
Wikipedia、Google、ブログ、どれ一つ正式ではない。
しかし、その膨大な情報量であるため、統計確率的に事実確認をすることができる。
特にブログは、ロングテールの現象そのものである。
ロングテール・ビジネスを発展させるコツは次の2つ。
1 すべての商品が手にいるようにする。
2 ほしい商品をみつける手助けをする。
ロングテールを成功させるための法則は次のとおり。
【1】コストの削減
アマゾンは「バーチャル在庫」を設け、選択肢を拡げることに成功した。
デジタルの在庫はコストがあまりかからない。
ブログでアフィリエイトをされている方は、一つのテーマごとに、すべての商品を網羅するような置き方をすると、選択の幅が広がり人気がでるかもしれない。
【2】顧客に仕事をしてもらう
アマゾンの書評欄をみればわかる。顧客がたくさんつけば、無限のエネルギーをもつ。
インターネットの無料通話ソフトを提供するスカイプでは、ユーザーが無料で登録手続きをするので、社員の手をかけずに2年半で6000万人のユーザーを獲得することに成功した。
【3】流通経路を拡げる
テレビドラマの入手方法は昔と比べ格段に増えた。
ビデオ・オン・デマンドで、
iTMSからのダウンロードで、
DVDレンタルで、
ティーボのよる録画で・・・・といった具合だ。
このように流通経路をたくさん持っていたら、市場を最大にすることができる。
そのほか、情報公開、無料提供などがある。
「無料お試し利用期間」とか「30秒視聴」などがいい例だ。
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ロングテール
「売れない商品」を宝の山に変える新戦略
クリス・アンダーソン著 早川書房(2006.09.30) |
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