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   お金持ちにはなぜ、お金が集まるのか

                     鳥居祐一(青春出版社 2007.7.25刷第7刷)


 TSUTAYAでビデオを借りたことがある人は、著者の鳥居祐一氏の名に見覚えがあるかもしれない。
 鳥居氏の「学校で教えない億万長者の授業」は、2006年9月のレンタル開始以来、回転率第1位を誇っているのだそうだ。

 鳥居氏はサラリーマンの頃、ギュウギュウ詰めの満員電車にゆられながら会社に通い、いつも嫌な上司に怒られる毎日を送っていた。
 業務上関係のないことに対しても、重箱の隅をつつくような注意を受けたり、人格を否定されるような言葉の暴力を受けていたそうだ。
 いわゆる"パワー・ハラスメント"である。
 狂っているとしか言いようがない環境の中で、社畜化していき、無気力かつ無口になっていく。そして、朝が来ると恐くて布団から出られない「出社拒否症」に陥ってしまう。

 もう、二度とあんな生活に戻りたくない。
 この思いが会社をやめたあとの原動力となる。

 現在は、個人投資家としての収入と、自らが主宰する3つの会員制プログラムからの収入により、人に管理されない自由な生活を送ることができるようになり、「ミリオネアコンサルタント」としてセミナーや講演で活躍している。

 鳥居氏は、多くの億万長者との交流から、億万長者には幸せな億万長者とそうでない億万長者がいることがわかってきた。
 前者は、お金もあって心も満たされ、豊かで幸せな人生を送っている人たちであり、後者は、お金はあるけどけっして幸せでない人たちである。

 幸せなお金持ちは、日頃、私たちがお金持ちに対して抱いているイメージとは、ずいぶん異なるお金の使い方をしている。

 彼らは、お金持ちになったから、お金の使い方が変わったのではなく、お金持ちになる前から、億万長者になることができるお金の使い方をしていたのである。

 つまり、お金の使い方をほんの少し変えるだけで、私たちも幸せなお金持ち(筆者は「成幸者」と定義している)になることができるというのが本書の基本コンセプトとなっている。



 お金というのは、いかに「稼ぐ」かよりも、いかに「使う」かの方に多くの意識を払うべきだ。

 著者が見てきた成幸者(幸せなお金持ち)は、「いかに使うか」の方を重視していたそうだ。

 せこせこと節約しながらお金を貯めることも大事だが、それ以上に思い切って使うことで、お金が増やすことが、もっと大事だ。

 丹田呼吸法と同じで、お金もうまく吐き出すことで、うまく入ってくるようになるのだ。

 人間の体というものは呼吸に限らず、すべてがそうなっている。
 食べてばかりだと体の調子が悪くなる。
 ストレスをためるばかりだと、精神も悪くなる。

 森羅万象、すべてうまく「出す」ことで、うまく「入る」ようになるのだ。

 お金もいっしょ。
 日本の言葉で「金は天下の回りもの」というものがある。
 欧米にも、ギブアンドテイクという言葉がある。
 
 自分のもとに入ってきたお金は、貯めておかないで使うことだ。
 しかも、上手に使うことで、いずれ何倍にもなって、帰ってくる。
 反対に言えば、成幸者は、無駄なお金はいっさい使わない。
 見栄で払うようなことは絶対しない。

 友だちといったときに「今日は俺のおごりだ」「おつりは取っておいて」では、単に見栄を張っているだけで、本書で言う「うまく出す」こととは違う。
 見栄ではなく、自分への投資を考えるべきだ。



 成幸者は、お金の使い方に関してひとつの絶対的な判断基準を持っている。
 それは、「リーズナブルであるかどうか」である。
 単に安ければいいということではない。
 支払ったお金に見合う価値があるかどうかを考える。
 いったん、価値があると判断したら、高くても躊躇なく支払う。

 そのために「モノの真の価値」を知る必要がある。

 仮にトヨタがリコールを出し株価が一時的に下がったとしよう。成幸者は、トヨタの株を手放すことはない。むしろ買い求めるであろう。なぜなら、トヨタの真の価値を知っているからだ。

 逆に値上がりしたときは、喜んでこれを売る。

 負ける投資家は「モノの真の価値」を知らないから、トヨタの株が一時的に落ちると、不安になり、これ以上損をしたくないので、がまんできずにに売ってしまう。


 成幸者は、モノを買うとき、次の3つの基準を当てはめて判断する。

1特別な価値があるものか
2長く楽しめるものか
3一生の思い出として残るものかどうか

 がらくたをたくさん抱えるより、数は少なくても本当に価値のあるものだけ持とうと考えている。だから、基本的には無駄なモノは買わない。

 あまり、モノにはこだわらず、むしろ、目に見えない価値にお金を払うことが多い。
 みなが「消費」しているあいだに、自分に「投資」しているわけだ。



 投資とは、株式投資や資産運用のことだけをいうのではない。
 将来的に価値が増えるものは、すべて投資である。
 たとえば、教育も、りっぱな投資である。
 カリフォルニアでは、お金持ちがたくさん住んでいる高級住宅街に家を建てることも投資のひとつと考えられている。なぜなら、そこの住人となることで、他の住人からビジネスチャンスにつながる情報が常に入ってくるし、有力な人脈も広がっていくからだ。また、教育水準が高いので子どもの教育環境にもよい。

 自分を成長させる投資には次の3つがある。

・人と会うことに使う。
・学ぶことに使う
・健康に使う

 セミナーや異業種の交流には積極的に参加しよう。
 普通の生活では、なかなか新しい出会いというものはないものだ。
 だから、アフターファイブに、積極的に自ら外に出て行くことが大切だ。
 セミナーや会合は絶好の機会だ。

 これらに出席するときは、前もって、参加者あてにメールを送っておくと、さらに出会いの効果を増幅させることができる。

「来週の○○セミナーに参加する○○です」
「当日は○○さんの講演を聴きたくて、申し込みました」
「当日は○○さんにお会いできるのをとても楽しみにしています」

 こんなメールをもらって、嫌な思いをする人はまずいない。
 それよりも、どんな人か会ってみたくなるものだ。

 また、本の購入にお金を惜しまないことだ。
 本屋でおもしろそうな本を見かければ、迷わず買うべきだ。
 ビジネス書なら30分で斜め読みができる。

 面白くないけど、せっかく買ったのだから最後まで読もうとは思わないことだ。
 面白くない記事を読むことで失う時間の方が、もっともったいない。
 必要な情報だけ入れて、あとは捨てる習慣を身につけよう。
 インプットした情報は、手帳に書き取るなどして、後でできるだけアウトプットしよう。インプットからアウトプットまでの一連の流れで、しっかりと自分の情報にすることができる。
 



 興味のあるセミナーには少々高くても参加すべきだ。
 著者の鳥居氏は、会社をやめ1年間で100万ぐらいセミナー代に使ったそうだ。

 セミナーで直接講師から聞いた方が、本で読むよりも、伝わり方も、得られる成果も全然違う。セミナーは高額だが、それぐらいのリスクを負わなければ、本当の学習はできないと覚悟すべきだ。

 成幸者は、健康にも多額のお金を投資する。
 肉体的にも、精神的にも常に最高のコンディションを心がけるようにしよう。
 良質の水は、健康の源である。
 良質の水を一日に3から4リットルは飲むようにしよう。


 成幸者は、空間を大切にする。
 空間にお金を使うことを惜しまない。
 新幹線ならグリーン車、飛行機ならビジネスクラスやファーストクラスに乗るようにしている。

 それは、単にリッチな気分を味わいたいからといった理由ではない。
 広々とした座席でくつろぎ、現地に到着したときに、すぐに仕事に取りかかれるようにするためだ。

 ワンランク上の座席は、ほかの成幸者と隣り合わせになるチャンスが多いことも魅力だ。「どこから来られましたか?」「お仕事ですか?」と声をかけよう。驚くようなビジネスチャンスが転がっているかもしれないのだ。
 

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