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大人が変わる生活指導
著者 原田隆史
発行 日経BP社 2006.5.15
価格 1,200円
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原田隆史、1960年大阪生まれ。
20年間、体育講師を勤めるなかで、陸上競技部指導、生徒指導に手腕を発揮。
松虫中学校では7年間で13回の日本一を輩出。
学校教育での手腕を買われ、企業教育分野でも数々の成果を収める。
著書に「カリスマ体育教師の常勝教育」、
「夢を絶対に実現させる方法」、
「成功の教科書」など。
なお、「夢を絶対に実現させる方法」は過去に紹介している。
2006.4.28号
http://blog.mag2.com/m/log/0000130996/107001529.html?page=2
原田氏が赴任した大阪市立松虫中学校は問題のある学校であった。
ところが生徒たちに接してみると人情味あふれ能力のある子どもばかり。
むしろ周囲の大人たちに問題が見られた。
あきらめムード、元気のなさ、将来への不安が子ども達を遠ざけていた。
原田氏は学校を変えることに全力を傾けた。
試行錯誤の末に到達した考え方が、この書物に著されている。
前述の13回全国一の実績は、技術面や体力づくりで成されたものではない。
あいさつ、身だしなみから始めた生活改善による人間力の向上によるものだ。
原田氏は、生徒の指導を通して、ある重要なポイントに気づく。
「大人のための生活指導が必要だ」という点である。
子どものお手本になる元気な大人たちを少しでも増やさなければならない。
生活指導で大人も変わる。
会社においても家庭においても魅力を発する大人が増える。
人が変えるのではない。
自分自身が主体変容するのだ。
成果主義の導入で会社の人間関係がギスギスしている。
自分の能力を超えるような仕事を与えられプレッシャーを感じている。
子どもが不登校、親の介護・・・
生きて働く限り尽きない悩み・心配
あきらめるか、立ち向かうか。与えられた人生は一度だけ。
夢を描いて、それを目標に変える人、すなわちこれからのリーダーは、生きる力を備えた自立型人間でなければならない。
やらされる仕事など一つもない。
どんな仕事でも本気になって取り組むことから、すべてが始まる。
仕事と思うな。人生と思え。
最後に勝負を分けるのは「心」
原田氏が教師生活を通して得た結論である。
原田氏の指導は、「心づくり」に主眼を置いている。
「心づくり」は次の5つの方法で構成される。
心を使う
心をきれいにする
心を強くする
心を整理する
心を広くする
「心を使う」、「心を整理する」は、kougai自身が、モチベーションを取り戻すために、メルマガを書きながら考えをまとめ、整理しているのと同じ行為だ。
自分の心の中にあるマイナスも含め、文字にして書き出していく。
自分を冷静に見つめ、改善していかなければならないことも記し、心を前向きに持っていく。
日誌や、メモの効用が言われるのも同じ理由によるものだ。
「何のために働き、生きるのか」
原田氏が企業研修で最初に受講生に投げかける質問だ。
幹部職員たちがその答を紙に書く。
売上競争に身を削る営業職の中には「収益が人格や」と答える人もいる。
結果を出すためには、どんなに帰りが遅くなっても構わない。
一生懸命働き、成果を出しても、翌期にはさらに厳しい目標が課せられる。
胃がきりきり痛むような、過酷な日々を送っているうちに、次第に仕事の質が落ちていく。
家庭をかえりみない日々を過ごすうち、家庭生活もすさんでいく。
原田氏は、仕事と生活がそれぞれ成り立つような発想をしなければ真の成功はないと言いきる。
家庭生活への目配りを特に重視する。
ささいなことでも、これだけはしっかり守るという生活目標を立て、これを実践しているうちに、人は仕事面においても確実に実力を伸ばし、モチベーションを高めていくことができるのだそうだ。
家庭での実践の例をあげる。
「靴を揃える」
「お風呂を洗う」
「洗濯物をたたむ」
「皿を洗う」
「トイレを掃除する」
職場での実践例は次のとおり。
「朝早く出社して同僚の机を拭く」
「率先してゴミをかたづける」
最近、通勤途中に証券会社や保険会社の行ったビルの前で、ビジネスパーソンがt塵や落ち葉をほうきで掃いているのを見かける。
掃除することで、会社の周辺がきれいになるだけでなく、ビジネスパーソンの心もきれいになり、心を強くすることができるのだろう。
不登校や家庭内暴力問題において、子どもを教育するより、大人である親の生活を指導した方が効果が高いと原田氏は考える。
子どもを幼い頃から甘やかし、父も母も母性の塊(かたまり)のような育て方をしてしまうことに問題がある。
子どもと厳しく接する機会が減っている。
まずは、何でもいい。子ども達に目標を与える。
たとえば、次のようなことを毎日させる。
・靴を揃える
・自分の弁当箱を洗う
・毎日お風呂を洗う
しばらく続けると、子どもに変化が現れる。
原田氏はさらに、家庭での取り組みを親に書かせ、親にその日記を毎日学校に持ってきてもらうようにする。親への生活指導である。
そうすることで、親自身にも変化が現れる。子どもとの関係が改善され、「ダメなことはダメ」としつけができるようになる。
【家庭内離婚を回避できた事例】
毎日、残業で疲れ果て、家に帰ってきて口を開く気にもなれなかった男性が、とにかく疲れていてもできることはないかと考え、毎日、玄関の靴を揃えることにした。
初めは、やましいことでもあるの?と奥さんからいぶかられる。
恥ずかしくてもやめない。
そのうち、4歳の娘も真似して、玄関の靴を並べるようになった。
次に彼が実践したのは、「ありがとう」の一言。
妻に、
「毎日の買い物、お疲れ様。ありがとう」
「いつもお風呂を沸かしてくれて助かるよ。ありがとう」
「朝早くから洗濯、ご苦労さん」
これも、何か隠し事があるのでは?と初めはいぶかられる。
次に彼が実践したのは、職場の悩みを妻に語ることである。
家庭で仕事のぐちをこぼすなんて、もってのほかと考えていた彼にとって、これが一番、難しかった。
とにかく彼は、妻と毎日、会話することにした。
これらの実践で、彼の家庭生活が著しく改善されたことは言うまでもない。
はじめは、小さな事からでいい。それを続けていると、自分自身も変わるし、不思議なことに周囲も変わっていく。
ある男性は、家のごみ拾いと、お酒をなるべく控えて早く帰宅することを日課とした。
そのことで、家族との時間ももてるようになり、早く寝て翌朝散歩することで、体調もよくなった。
それよりも劇的に変わったのは奥さんの態度であったそうだ。
それまで、一生懸命働いて帰っても、ねぎらいの言葉一つなかった奥さんが、帰りが遅くなったときは、駅まで車で迎えに来てくれるようになった。
さらに男性を驚かせたのは、今日は大事な接客があるんだと何気なく話したら、赤いパンツと新しいネクタイを持ってきて、「これで勝負よ!」と言ってくれたそうだ。
仕事でどんなに優秀でも、家で尊敬されなかったり、子どもとうまくコミュニケーションがはかれなかったりするのは残念なことだ。
仕事に精通していればいいというものではない。
熱き思い、夢、こころざしを持ち、仕事を通じて社会に貢献することを真剣に考え、熱く語る多くの言葉を持っていれば、魅力は増し、その生き方をモデルにしようと、部下やまわりの人から慕われるようになるだろう。
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大人が変わる生活指導
著者 原田隆史
発行 日経BP社 2006.5.15
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