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著者山岸二郎氏の人生における転機は31歳のときに突然訪れる。
父親の借金が原因で、サラリーマンを辞め、赤字の飲食店を引き継がなければならなくなったのである。
赤字から脱却するには店を繁盛させるしかない。
休日をなくし営業時間を延長。ひたすら働いた。
なけなしの16万円をつぎ込んで、フリーペーパー紙に広告を出した。
広告の出た日、お客が大挙してくるだろうと、アルバイトの子と二人で待ちかまえた。
ところが、1時間たっても2時間たっても扉は開かない・・・
その後も割引クーポン券を配ったり、ホームページをつくったり、グルメサイトに登録したり、あらゆる手をつくした。それでもお客は増えなかった。
お祝い金が払えなくて友達の結婚式に出ることもできない。
そして、1枚のハガキを境に状況は一変した。
空席が埋まるのに時間はかからなかった。
ある方法を実践するようになって、「日本経済新聞」、「朝日新聞」、「はなまるマーケット」、「ニュース・アイ」など各メディアでも紹介され、はてはイギリスのBBC放送からも取材を受けた。
山岸氏が実行したのは、ハガキを出したことだけだ。
それもカラー印刷でも、格好のいいデザインでもなく、ただの手書きのハガキだ。
言葉の力だけでお客を集めることができたのである。
これは飲食店だけにかぎる話ではない。
すべてのビジネスに通じる話であり、本書が成功への第一歩を踏み出すためのきっかけとなる可能性さえ秘めている。
『感謝状』
○○様
先日は、ご来店いただきまして、本当に
ありがとうございました。
BAR LAZBOでは単にフードとドリンクの
提供にとどまらず、活力充電の
場として、○○さんが、いつでも
輝けるようサポートできる店作りを
目指していています。
電池が切れかかったら、いつでも
気軽にお立ち寄りください。
BAR
山岸 二郎
ある居酒屋の経営者の話。
彼は60歳を超えた男性で、奥さんに先立たれ仕事に熱が入らなくなり、だんだん経営も傾いていた。
しかし、このままではいけない、現状を打破しようと思い、コンサルタントに相談に行く。
コンサルタントは、業務変更を伴うリニューアルを勧めた。
和風の居酒屋から沖縄料理に変えることを進言した。
改築費1500万円は全額借金。
工事の間、彼は沖縄料理店で苦しい修行を積んだ。
そしてついに、リニューアルオープン。
次々にお客が訪れる。
久々に活気にあふれる店内。
最後のお客さんが帰り、店を閉め、売上げを計算する。
リニューアル前には3万円にまで落ち込んでいた一日の売上げが、今日は3倍の9万円。
目標の10万円には届かなかったが、経営者は快い疲労感のなかで満足そうな表情を浮かべた
これはニュース番組の特集で放映されたものだ。
山岸氏は、テレビを見ながら怒りに震える。
わなわなと体が震えるくらい怒ったそうだ。
1500万円を返済するのに何年かけるつもりだ!
新しく従業員も雇ってる。
沖縄料理のトレンドがいつまで続くというんだ!
これはコンサルタントが工事業者と手を組んでお客から金を巻き上げたというだけの話ではないか!
(kougaiにも言わせてほしい。この経営主は確かに岐路に立たされていたが、人の言いなりになり、現状を分析することもなく、自分の得意分野で打開しようとしなかった!)
著者の山岸氏は思った。
「自分だったら、ペン1本でリニューアルさせること
今の時代、店をつくって、商品置いて、看板を出しているだけではお客さんは集まらない。その発想は物不足の時代のものだ。
飲食業界も同じ。
飲食店の乱立は受容を超えた状態だ。
競争激化のなかで集客するには、そのための活動が必要だ。
立地調査や価格調査はもちろん必要だ。
接客力も磨くことも必要だ。
でも、それだけではお客さんは集まらない。
衛生的で、美味しくて、サービスも良く、妥当な価格であればお客さんがどっと押し寄せるかといえばそうでもない。
これらは必要条件に過ぎない。
繁盛店になるための十分条件は次のとおり。
第1 費用対効果よく新規客を集めること
第2 集めた新規客を効率的にリピーターにできること
つまり、商品やサービス力以外で、お客を集めることが必要だ。
お客を集める方法で参考になるのが閉園寸前、崖っぷちからはい上がった「旭川動物園」の経営手法である。
旭川動物園には「白クマ」とか「あざらし」といったありふれた動物しかいない。
それでも行列ができる動物園になれたのは、動物の見せ方について発想を転換したからにほかならない。
他の動物園は、動物の姿を外から見せる。
ところが旭川動物園は、檻の中で動物の行動を見せたらどうだろうという発想から展示方法を変えたのである。
たとえば、地下からアクリル板に守られて、エサの視点で「白クマ」を見ることができるようになっている。
動物は従来のままだ。
つまり、商品、価格ではなく、考え方や売り言葉を変え、集客に成功したのだ。
山岸さんは崖っぷちの飲食店を、ユニークなコンセプトと力強いメッセージで訴えることはできないか考えた。
今すぐ売り上げる最良の方法は、既存のお客さんにセールスレターを
書くことだ。
既存のお客さんにアプローチすることで、短期間のうちに売上げを
上げることができる。一度は利用したことがあるお客さんの方が新規の
お客さんよりも数倍あなたのことや、あなたの店に興味を持っているか
らだ。
だからといって店への誘導だけを書き連ねた「来てね来てね攻撃」を
してはいけない。
来店時に顧客情報を入手するようにしよう。
お客さんの名前や住所は書いてもらうようにする。お礼状は、お客
さんの来た日の夕方に手書きのハガキを投函するようにしたい。文例は
9月3日号で紹介したので参考にしてほしい。
次に定期的にニュースレターを出そう。
山岸氏は、直接飲食店とは関係のない街の銭湯に行ったときの話や、
体を壊して入院した話など日常の出来事を書いてお客さんに送る。
ニュースレターは、新規のお客さんでも、何回かメールを出している
うちに親近感を抱いていただき、常連になってくれることが多いからだ。
そして、セールスレターを出す。
お客さんが買いたいと思うようなレターでなければならない。
店側の都合でなく、お客さんのベネフィットを考えてレターを書くよ
うにしよう。
「なぜ、私はあなたの店に行かなければならないのですか?」
とお客さんからの問いかけに対して、
「なぜなら、○○だからです」
と明確に答えられない限り、お客を振り向かせることはできない。
その店でなければならない理由は絶対必要だ。
そのことを言葉でお客さんに訴えることができるようにしたい。
今の時代、人は皆、必要なものはほとんど持っている。
「商品」は売れない時代だ。
「コンセプト」でなければ売れない。
飲食店であれば、清潔で、味が良く、サービスがよいのは当たり前の話。
お店の存在をお客さんの心の引き出しにしまってもらうためには、コンセプトを売り出すことを考えなければならない。
著者の山岸さんのお店(バー)のニュースレターの標題は次のとおりである。
『ちょっとした非日常を手に入れる方法』
仕事とプライベートを切り替えたのだから、ありふれたところで時間を過ごしてはいけないという内容でレターは始まる。その中で、山岸さんのお店のコンセプトが披露されている。
レターのなかで個々の商品の紹介はない。しかし、標題から続くセンテンスは読者をぐいぐい引っ張っていき、山岸さんの考えるコンセプトを余すことなく知ることができる。
山岸さんが説く「ペンだけでリニューアルできる」ことを信じさせる素晴らしいレターの内容となっている。
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空席だらけの崖っぷち飲食店に、わずか30日間で行列が!
実証者だから知っている経営者向け実践的な集客法を提供。
「なぜ、これほどまでにお客さんを集めることができたのか?」

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