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「最高の能力」を引き出す
コーチングの教科書
本間正人著 自由国民社(2006.9.3)
価格 1,600円
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「コーチング」は、相手に一方的な目標を与えたり、問題解決の方法を指示するのではなく、質問をすることで相手から答を引き出そうとするスキルだ。
「コーチング」は、相手との信頼関係を築き、一人ひとりのやる気を引き出すことができる。
本書は、企業で活用されている「コーチング」を、親や教師の立場で、いかに子ども達に適用させるかという観点で書かれているが、子どもにも限らず、おとな社会にも十分に適用できる内容となっているので、今回紹介することにした。
学ぶとは、本来、主体的で自立的なものである。
教える側が一方的に生徒に教育すれば、受講する生徒は受け身になっていく。
人間が社会で生きていくためには、自らの意志に基づき、知識、思考、技能、感性、情緒、運動などの能力を駆使していかなければならない。
このため、子どもが自ら学ぶ「コーチング」が教育界でも重要視されるようになってきている。
コーチングの本質は、「信」、「認」、「導」の3つ。
「信」・・・相手を信じ、相手の信頼を得る。
指導する側は、信頼を築くために、言葉と行動を一致させるように努めることが大事。
「認」・・・相手のよいところを見て心にとめる。
子ども一人ひとりには多様な持ち味、良いところを持っている。それを見逃さず、成長を見守る注意力が必要。
「導」・・・言って聞かせるだけでなく、やってみせる。
一緒に「Let’s」の気持ちで、望ましい行動へ導いていく。
知識や技能を教えるだけなら、Eラーニングで十分だ。
これからの教育は、Eラーニングにはできないこと、すなわち、教育者が自らの行動を通じて学習者を導くことが重要だ。
教育者が望ましいパターンを行動で示し、「やってみせる」ことで、説得力を持たせなければならない。
「言って聞かせる」は、テキストファイル
「やってみせる」は、高画質の動画情報
情報量の違いが、受け手へのインパクトの違いとなって現れる。
"経営の神様"松下幸之助氏の有名な語録に、「人間は磨けば光るダイヤモンドの原石のようなもの」というのがある。
その人の人間性を大切にするという姿勢は、コーチングの原点といえる。
この考え方を実践する手法として「ヒーローインタビュー」がある。
スポーツに限らず、学校生活で一番頑張ったことを聞き出すのである。
「小学校に入ってから、○○ちゃんはどんなことにがんばったかな」
「クラブ活動に熱心だね。どんなところが楽しいかな」
先生は聞き役に徹する。
具体的にそのときの情報を思い浮かべながら話してもらう。
時間は4,5分で十分。話しているうちに子どもの表現は明るく、生き生きしたものになるそうだ。
自分の話を熱心に聞いてくれる大人がいることは子どもにとってもうれしいことだ。
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☆カウンセリングとコーチングの共通点は
・相手の話を聞くことが大事
・答は相手が持っている
☆カウンセリングとコーチングの違い
カウンセリング「過去に向かってWhyを問う」
コーチング 「未来に向かってHowを問う」
☆コーチングの進め方「GROWモデル」
Goal (目標):何を目指すのか?
Reality(現状):本当の問題は何か?
Option(選択肢):別に方法はないか?
Will(意志の確認):実現に向けて「やる気」の確認
このGROWモデルを実現するために、約百種類のコーチングスキルがあるという。
その中で教育現場で役に立つのスキルは次の6つだそうだ。
1コーチングしやすい環境をつくる
正面に向き合うと「対決」の姿勢になるので、お互いが90度の方向で座り、目のやり場に困らないようにする。
2相手が話しやすいように聞く
コミュニケーション上手は聞き上手。
聴く力は人間力通じると言われている。
これについては「コミュニケーション大全」でも詳しく述べている。
⇒ http://mailzou.com/get.php?R=3379&M=2687
3問いかけ方を変えて、答を引き出す
YES/NOで尋ねる
YESを引き出す
A、B、Cのどれ?と聞く
自由に意見を言ってもらう 等々問いかけ方を変化させながら使いこなせるようにする。問いかけ方を変えるのは、同じ口調で質問をして相手を萎縮させないためである。
なお、「なぜ」「どうして」は注意。詰問調になるからだ。
4お互いの約束という形で計画を立てる
具体的なスケジューリングをサポートする形にもっていく。
目標を押しつけるのではなく、「約束」する。
5相手の心理に働きかける言動を取る
事実をほめる
タイミングよくほめる
心を込めてほめる
6相手を承認する
相手のよいところを見て、心にとめる。
できれば子ども一人ひとりの「プラス(進歩、持ち味)リスト」をつくりたい。
「テストで0点をとってもいいのか!」
こういういい方をすると生徒は先生に心を閉じてしまう。
「よく聞きに来てくれたな。えらいぞ」
このように前向きな姿勢を評価することで、生徒のやる気を引き出す。
言いたいことをうまく伝えられない生徒には、結論を急がず、ゆっくりと相手が話しやすい雰囲気をつくってあげる。子どもを育てるときは、一人ひとりの特長に合わせて指導することが大切だ。
子どもとの間に信頼関係を築くには、時間もエネルギーも根気も必要だ。
「なんでこんなミスをするんだ?」
「なんで君はこんな問題を起こしたのだ?」
これらの反語的表現が癖になっている教師がいる。
このような疑問文に生徒は答えられるだろうか。
自分が責められていると感じているはずだ。
返ってくるとしたら、言い訳、弁解、自己正当化といったたぐいであろう。
次のように質問を変える。
「合格点を取れなかった原因は何かな?」
「こういう問題が起こった理由は何だろう?」
コミュニケーションで大事なことは、相手に取りやすい球を投げることだ。
相手の話を否定しないで積極的に聴くことは大事だ。
「聴く」は決して受け身でなく、相手が気持ちよく話せるためにエネルギーをそそぐことだ。
これを誤ると、子どもは口をつぐんでしまう。
EQの理論に「状況判断知性」というものがある。
相手の表情の変化、姿勢の変化を見逃さない。
相手の気持ちを察しながら、次に口にする話の内容を工夫することが大事だ。
人間だから、怒ってしまうのは仕方がない。
だからといって、しばらく距離を置くようなことはしない。
双方の心がマイナスの方向に向いてしまうからだ。
できるだけ早く、もう一度向き合い、誠意を持って接するようにする。
人間の心は、ガラスのコップではない。軟球のように修復可能だ。
言葉が過ぎたら素直に謝る。そして怒ってしまった自分を責めない。
心を相手に向ける。
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