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「リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと」
1,400円
■■ 林田正光(あさ出版) ■■
■■ 2004.12.24 発刊 ■■
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「リッツ・カールトン大阪」については、以前このコーナーで紹介したことがあるので、覚えておいでの方もいらっしゃると思う。
感動のサービスが実現する一瞬―本当の顧客満足がここにある!
田中 司朗 (著) http://johou.net/syoseki/kandouzitugen.htm
その中で、2つのエピソードを御紹介した。
・ロビーラウンジでカップルの男性が女性にプロポーズをすることを知った従業員は、男性にプロポーズを閉店まで引き延ばすようにお願いし、夜景の見える特別の席をしつらえて、カップルを案内し、店のBGMを変え、男性が女性に指輪を渡すタイミングをとらえ、スタッフ一同で「おめでとうございます」の大合唱を送ったという話。
・東京のお客が書類を忘れていることに気がついた従業員が、お客を追いかけ、新大阪から新幹線に飛び乗って、東京の会社まで届けたという話。
これらの、エピソードからわかるように、ホテルの従業員たちは、いちいち、上司の決裁などとらず、自ら判断して、お客様を喜ばせるために行動する。そして、アルバイトも含め従業員自身が仕事のノウハウだけでなくあたたかいハードまで、しっかり身につけているため、彼らの判断でお客様にしてあげたことは、いずれも
『感動』を巻き起こす。従業員は一人あたり20万円超の決裁権を有しているため、すばやく対応し、顧客をロイヤルカスタマーに変える。
本書は、1996年から2002年までザ・大坂の支配人を務めた林田正光氏によって仕事に対する心の持ち方、自己研鑽の方法などが書かれた本だ。超一流といわれるホテルの経営手法の案内だけでなく、ホテルの気品や提供する感動サービスを、個人のスキルに置き換え、人生を有意義に生きていく方法まで述べられている。林田氏は、ホテル勤務の経験をいかし、現在も「心づかい」と「人脈」を武器に、活躍している。
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人生50年というが、林田氏の第二ラウンドは、50歳から始まった。林田氏は、大阪の太閤園というレストランで30年間余り勤め、48歳で大きな転機を迎える。胆管狭窄という大病を患い、ひどい黄疸を発症し、手術とともに半年間病床に伏すことになる。そして、1年の休職の後、新聞をみて心が動かされる。
「1977年 リッツ・カールトン 大阪で開業」
林田氏は、リッツ・カールトンという外資系ホテルに興味を持っていたので、人生を出直すつもりで、50歳の新天地に賭けてみることにする。
リッツ・カールトンの採用試験で従業員600人に対し、約4千人の応募があった。「営業支配人」1人の枠には、林田氏を含め、30代、40代の人が40名ほど応募した。面接官の人事部長はアメリカ人だ。の英語ができない林田氏の隣には通訳が付いた。林田氏は英語もできない、ホテル勤務の経験もない。年齢も他の応募者より高い。それでも林田氏が採用されたのは、前の職場「太閤園」で築き上げた強力な「人脈」に、ホテル側が期待したからにほかならない。
林田氏は、リッツ・カールトン大坂で、「リッツ・カールトン・ミスティーク」を自ら体現する。リッツ・カールトンでは、初めてホテルに訪れた客に対しても、名前で呼びかける。例えば、ドアマンが、お客の荷物に付いたタグなどで、お客の名前を知ったとき、小さなレシーバで、レセプションにお客の名前を知らせる。レセプションは、キーの用意に取りかかり、さらにベルマンは、レセプションからお客の名前と客室番号を知らされ、迅速に荷物を運ぶ。その連携はすばらしく、それぞれがお客について知り得たパーソナル情報は、しっかりデータベース化され共有される。そこで、お客が次に来たときは、「リッツ・カールトン・ミスティーク」が、次のように発揮される。
「○○様、いらっしゃいませ。以前いらしたときはゴルフでしたね。スコアはいかがでしたか」
リッツ・カールトン大坂は、お客と限りなくフレンドリーな関係をつくろうとする。それがパーソナル・サービスの基本と考えている。お客一人ひとりに寄せる関心は並々ならぬものがある。そのため、お客の情報管理は徹底している。そのことで、お客を感動させ、「ロイヤルカスタマー」に変えていこうとする戦略だ。ホテルが宣伝しなくても、感動は、予想以上に早く、そして広く口コミで伝わっていく。
東京ディズニーランドが世界一に集客力を誇るのは、施設だけでなく、人的サービスによる感動がそこにあるからだ。人間関係によって生まれた感動は長くこころにとどまる。
リッツ・カールトン大坂では、お客に「ノー」とは言わない。深夜にお腹が空いたとフロントに電話しても、普通のホテルが用意できるのはうどんやサンドイッチ、良くて幕の内弁当ぐらいであろう。しかし、リッツ・カールトン大坂では昼も夜も同じメニューを用意している。メニュー提供に関しては、お客をがっかりさせないために、はじめから採算を度外視している。
人を惹きつけるものに、「心くばり」ほど強力な武器はない。「気配り」は、まちがいや失敗のないように細かいところまで注意を行き届かせること」を意味するが、「心くばり」は、それにとどまらず、妻や子ども、あるいは恋人のためにする愛のこもった気遣いである。お客を感動させるのは、まさに「心くばり」である。
リッツ・カールトンでは、従業員は、感動サービスを具現化するための信条が書かれた「クレドカード」というものを、いつも持ち歩いている。
クレドカードにはこう書かれている。
「リッツ・カールトン・ホテルはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています」
平凡に読めば、どこの会社にある社訓のようなものだが、リッツ・カールトンでは、すべての従業員が、まるで言霊か身体の一部に感じるぐらいまでに、徹底的にクレドを読みこなして、自分の規範として行動しているのだ。
私たちが、生きるとき、心のよりどころを、何に求めるかは、とても大事であるし、心のよりどころが、それぞれの「情況」をつくりだしている。一企業の構成員がすべて、ひとつの価値、いわゆるクレドを何度も読み復唱し、自分のなすべき行動を、自分の責任でもって、決めていくというのは、なかなか他の企業では、社訓を有していてもそこまで達していない事例ではないかと思う。
企業のブランド化に歳月は必要ない。ザ・リッツ・カールトン大阪は、わずか2年で大阪1位の質をほこるホテルに成長した。最高のサービスブランドを確立することができた秘密は、「心くばり(最高のサービス)」が口コミで急速に浸透したからにほかならない。
「あそこは高いけどいいよ」
と、お客にそう思わせれば、それだけで勝ち。値段が高くても、商品やサービスは売れる。
個人も同様にブランド力をつけなければならない。つまり、会社をやめても、退職金だけでなく、個人のブランド力も自分のものとしてお持ち帰りできるようにするためには、在職中にマナーとコミュニケーション能力を磨く必要がある。世の中に認められるのは、専門性より先に「心くばり」を身につけなければならない。その後、誰にも真似できない専門性を獲得したら、成功は向こうから転がってくるだろう。林田氏は、自分の専門性は次の3つであるとしている。
人脈づくり
顧客満足
イベントの仕掛け
林田氏は、常時3千人と電話で親しく話ができる人脈を有しているため、営業部門であれば、どの企業だって放っておけない強みを有している。自分の魅力づくりの土台となるコミュニケーションスキルを磨くためには、食わず嫌いにならないよう「相手のよいところを5つ見つけておつきあい」を始め、おつき合い中は「心くばり」を忘れないようにすることだそうだ。
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リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと
林田 正光 (著)
価格: ¥1,470 (税込)
目次
第1章 ゲストが感動するホテル、ザ・リッツ・カールトンで学んだこと 第2章 なぜリッツ・マンはお客様の心をつかめるのか 第3章 心くばりのできる組織のつくり方 第4章 リッツ・マンに負けない魅力ある自分をつくる 第5章 ホテルマン流・人脈構築術 第6章 リーダーシップと目標があなたを魅力的にしてくれる
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