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5月26日~5月30日(毎日スキルアップ通信で紹介)


   私が絶望しない理由
    
あの有名人9人の土壇場、修羅場、正念場河合 薫
       株式会社プレジデント社 2008.4.20刊
                    

 生涯を通して、元気に働くことができれば、これ以上の喜びはない。

 でも、現代のような複雑な社会では、人のコミュニケーションも疎遠になり、職場内ではいじめが増え、その結果精神を病む人も増えているという新聞報道が先日されている。
 今、私たちに求められるのは「ストレスに対処する能力」ではなかろうか。

 著者の河合薫氏は、「人間はひょっとするとストレスを退治する力があるのではないか。そこのところを明らかにすれば、真に元気になる秘密は明らかになるのではないか」と考えた。

 しかも、その能力は後天的に育まれる能力ではないか。
 世の中には、ストレスに強い人がいる。
 誰もが人生で困難に遭遇する。
 それを乗り越えるか、乗り越えられないかで、その後の人生は大きく変わる。

 理論では説明できても、それがわかったからといって、ストレスに強くなるわけではない。

 そこで、河合氏は、理論ではなく、大変な修羅場を生き抜き現在に至る実在する人物のストーリーを明らかにし、広く読者に疑似体験をしてもらうとともに、自分もやってみようと勇気をもってもらうことを主眼とする本を著した。

『私が絶望しない理由』には、有名人9人へのインタビューを通して、土壇場、修羅場、正念場に対し、いかにストレスと困難を乗り超えたかが、リアルに描き出されている。



西室泰三(にしむろたいぞう)
 東京証券取引所会長、東芝相談役

 最初に体に異変を覚えたのは東芝に入社した頃である。
 脚の筋肉が死んでいくような感覚を覚えた。
 東大病院で診てもらった。
 原因不明の難病だった。余命5年と宣告される。

 会社では、英語力を買われ貿易部に配属された。
 そこで、真空管などの電子部品を米国に売り込む仕事を任される。
 突然の宣告は、仕事が面白くなってきた頃と重なっていた。

 死の恐怖から逃れるため、毎日たばこを10箱吸った。
 懸命に仕事をした。

 5年で自分がこの世からいなくなる。
 みんなにすぐ忘れられる存在だけにはなりたくなかった。

 生きる価値は、自分がいなくなったあとも、「あの人がここでいてくれれば」と思ってくれることだと思った。


 大抵の人間は、無意識に自分は不死身であると認識してだらだら毎日を過ごす。
 西室氏は、「自分は成長している」と強く実感することで「生」を肯定しようとした。


中村紀子(なかむらのりこ)
 ポピンズコーポレーション代表取締役
 経済産業省独立法人評価委員会委員、環境省中央環境審議会委員ほか


 大学卒業後、現在のテレ朝に入社。
 新人ながらアフタヌーンショーの司会などたくさんの番組を受け持ち話題になる。
 元祖女子アナの誕生である。

 若手経営者と結婚するため退職。
 ところが第一次石油ショックの影響で夫の会社は倒産。
 収入はストップ。

 新聞の集金が来たとき、娘をだっこして布団をかぶって息を殺した。
 娘に「静かに、静かに」とあやし、チャイムが鳴りやむまでじっとしていた。
 集金の人が帰った後で「うわあー」と泣いた。

 中村さんは自分の役割を考えた。
 離婚とか、出戻りパラサイトなどの安易な道を選ぶことはしたくなかった。
 収入のため仕事に戻るとしても、夫を傷つけないための配慮を怠らなかった。

 娘をベビーシッターに預け、家を出た瞬間、パッと顔を上げて「私はしあわせの絶頂です」という顔をつくった。

 その後、フリーアナウンサーとして起業するが、社員に裏切られるなどつらい体験は続くが、そのたびに、日頃のコミュニケーションで築いたいろいろな人からサポートを受け、ふんばった。

 そしてサポートを受けるだけでなく、相手からも信頼される人物になろうとがんばった。



武田双雲(たけだそううん)

書道家。
書道教室「ふたばの森」運営。コミックの題字、カップ麺のロゴなど作品多彩。

 3歳より書道家の母に師事。
 東京理科大学卒業後NTTに就職。社内で先輩達の名刺を直筆で作ってあげたところ大評判になる。会社を辞めても食っていけると思った。

 会社を辞め「あなたの好きな字を書きます」という看板を立て、夜な夜なストリートに立った。

 一晩立っても誰も来ない。
 チラシを1000枚配ってもだめ。
 コンビニでご飯買って、駐車場で濡れながら食べた。
 不思議に不安はなかった。サラリーマンの枠内で受動的に生きるよりずっといいと思った。

 自由でいると、いろいろな人と出会うのが楽しい。
 営業目的でなく、純粋に楽しいから企業家交流会にも出かけた。「書道家」という肩書きは注目を浴びた。

 そのうち、「相手への思いやりがないと儲からない」ということがわかってきた。
 相手のことを考えるようになって、仕事が増え始めた。

 書は自分のキャリア欲を満たすためのツールにはなるだろう。
 でも、それだけではだめだ。
 書を活かして「人を幸せにする仕事に関わること」が自分の求めていたことだと気づいた。



渡邉美樹(わたなべみき)
 ワタミ代表取締役社長。学校法人、医療法人の理事長を務める。
 日本経団連理事。「夢に日付を!夢実現の手帳術」など著書多数。

 最愛の母が小学校4年のとき入院し、わずか36歳という若さで帰らぬ人になる。
 その半年後、父親の会社が経営難に襲われ精算を余儀なくされる。

 渡邉氏は小学校6年のとき卒業文集に絶対社長になると書いた。
 貧乏は自分にとって最大の敵であった。

 父親の会社がうまくいっているときは正月に客が何十人も来た。
 精算した年の正月は誰一人来なかった。

 高校進学後、松下幸之助など企業家の本を読みあさった。
 大学卒業後、起業準備のため会計システムの会社に入った。
 そこで、経理と営業のノウハウを習得する。
 その後、起業資金を貯めるため、佐川急便のドライバーになる。
 社長になるためと公言してはばからない渡邉氏はドライバー仲間から荷物を投げつけられるなど壮絶なイジメにあう。

「この勝負に負けたら俺はずっと負ける」と思い、踏みとどまった。

続きは⇒ http://tinyurl.com/5fcjs9


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