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会社に成果主義が取り入れられ、ぎりぎりのコストで実績を残さなければマイナスの評価がされてしまう今日において、ビジネスパーソンにのしかかるプレッシャーは相当なものだ。しかも、いつまでも同じような仕事のやり方をしていたのでは、時代の変化に追いついていけなくなり、会社のためにがんばってきたつもりが、いつの間にかリストラの候補にされていたりする。
現代人は、忙しい。
今の若い人で、正社員の道を選んだ人は本当にがんばっている。
残業時間も月100時間なんてのはざらであろう。
彼らは彼らなりに自分の身を守るために実践的な時間管理術を身につけているはずである。そうしないと、しきい値を超え過労死してしまう。
でも、「時間がない、忙しい」では、いつの日か年をとり、自分は会社にとってお荷物ではないかと不安の中で過ごさなければならなくなるのだ。
どんなに会社のためにがんばっても、会社内でしか通用しない人事掌握術や調整能力では、時代の荒波を乗り越えることはできず、嵐の際は最初に捨てられる重荷でしかないのだ。
会社で生き残るにせよ、外に新しい活路を見いだすにせよ、自分を活かすための目標が定まらなければ、ただの「時間がない、忙しい」と言い続け、不安の中で会社人生を送らなければならなくなる。
だからこそ、時間管理を学ぶ前に、そもそも何のために時間を有効に使いたいのか、はっきりさせておく必要があるのではないだろうか。
そうしないと、面白くない毎日を送るために、わざわざ自分を管理するというようなおかしなことになってしまう。
数ある時間管理術が書かれた自己啓発本のなかで今回紹介する「夢をかなえる時間術」が他の本と異なるところは、単に時間の効率性だけを高めることだけに知恵を絞ったノウハウ本でないところだ。
著者の伊藤氏は「時間に対する考え方」を変えなければいけないと説く。
時間の使い方に求められるものは「効率性」ではなく、「自分はどう生きたいのか」と呼びかけられたときに答える心の底からわき出る思い、すなわち夢であるそうだ。
司法試験短期合格者の排出数全国トップクラスを誇る「伊藤塾」塾長が熱い思いで夢をかなえるための時間の使い方を本書で語っている。
伊藤氏は、時間を「幸福度」という物差しで測ることを推奨する。
時間術とは、無駄なく時間を使って、生産性を上げることだと考えると、毎日の時間管理はいつか殺伐としたものになり、途中で挫折するケースだってでてくるだろう。
それよりは、「自分がどう生きたいのか」に焦点を当てると、時間術がぐっと身近に感じられるようになる。
時間術というノウハウではなく、その先の時間術によって獲得する予定の「夢」に目を向けるようにしよう。
司法試験短期合格者日本一を誇る伊藤塾の指導方針は、「ゆっくり急げ」、「合格後を考える」の二つだ。
夢に向かって最短距離で到達する時間の使い方を教えることが伊藤塾の真髄であるそうだ。そのためには、まず自分に次のことを問いかけなければならない。
「本当に自分は何がしたいのか」
「どういう生き方をしたいのか」
自分の生き方をしっかり定めることで、はじめて「夢をかなえる時間術」が生きてくるのだそうだ。
伊藤氏は、大学時代に一回目の司法試験に落第した。
その原因を彼なりに突き止めた。
分刻みに膨大なスケジュールを作りすぎたことに原因があった。
あまりに細かいスケジュールにこだわりすぎ、その管理に時間をとられ、振り回されてしまったそうだ。
「時間」というのは、自分とは別に存在して、これをどうやって利用しようかと、普通考える。「時間」は消費するものという考え方だ。
しかし、「時間」は、「今を生きる」の積み重ねだ。
「時間」は、外にあるのではく、自分の中にあり、それは自分の生き方そのものを示す観念だ。
伊藤氏は2回目の受験に当たって、分刻みのスケジュールを立てることはしなかった。 大ざっぱな日単位の予定は組んだが、それに振り回されないよう、計画に余裕を持たせた。そして、何よりも違うのは、予定表に「合格日」を入れたことだ。
勉強法でいちばん大切なことは、「ゴールからの発想」だ。
ゴールを明らかにしないと、するべきことの全体像が見えてこないのだ。
仕事や勉強しているとき、気が散り集中できないときがある。
伊藤氏によると、そういうときは無理に集中しようとしないで、素直に別のことをやればよいそうだ。たとえば論文の問題を解いていて、はたと煮詰まったら、別の問題を解くというようにするとよいそうだ。目先を変えることで、新しい刺激を受け、頭が再び回転を始めるのだそうだ。
すぱっとあきらめて、ほかのことをやる。
それが、結構うまくいくのだ。
「なぁーんだ。気が散ってもいいんだ」と思うと、結構、気が楽になるし、むしろ、いろいろな勉強を同時に進めることができ効率がよい。
伊藤氏は仕事をするとき、同時に3つぐらいの線路を並行して走るような感覚で仕事を進めるそうだ。
机に3つの違った仕事を載せておき、飽きたら、ひょいと隣の線路に乗り換えるような感覚で、別の仕事をする。仕事に飽きたら、遊びの線路にも乗り換えることもあるそうだ。
一つだけの仕事を続けていると、効率が落ちるし、次の仕事を始めるときもエンジンを暖めるのに時間がかかる。だから、線路をひょいひょい乗り換えるように同時進行で走らせると、エンジン全開のまま走らせることができるのだそうだ。
どうしても集中できないときは、「逃げたくなる」
でも、自分が本当に好きな本を読んだり、見たくてたまらない映画を見てすごすのなら、それはそれで「自分自身を豊かにする」もので、自分にとってプラスに働くものだ。
これは「逃げ」ではない。
ただ、自分にとってプラスになるものがなくて、だらだら過ごしてしまうのは「逃げ」である。
問題は、だらだら過ごしたことで、自分が追いつめられ、そこから発揮する集中力があるかどうかである。絶対にやり終えるという自信があれば、必ずやり終えるものだ。
こういうときの「火事場の馬鹿力」の方が、長い時間をかけてやるよりも、いい結果を出すときもあるのだ。
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